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第577話 県内路線完乗×3(2021.9.16)

 鉄道趣味のうち、特に「乗り鉄」が高じると、そこにある路線を端から端まできちんと乗るというのが一つのテーマになってくる。筆者の場合、かつてはそこまで意識せず、少しの区間でも乗れればその線に「乗った感」を得て満足していたのだが、年を重ねて旅行先も増えてくると折角ならば全区間(過去に一部だった場合はその続きを)乗ってみようという思いが増し、近年は「県内全線完乗」がチラホラ。(以下は、関連する話題、記録)

福井県(ほぼ)完乗
滋賀県完乗後、津へ
仙山線の乗車・・・山形県完乗

 もう少しで達成できることがわかれば、旅のテーマは完乗(またはその手前)がメイン。グルメ、行楽、温泉などの要素はオプションになる。

 緊急事態宣言の延長云々は想定していなかった訳ではないが、9月はその「もう少し」の県を旅して県内完乗をめざす予定を立てていた。青春18きっぷもあったので、とにかく敢行。今回の9月の旅では、新潟、長野、宮城の順で、各県の鉄道路線の完乗を果たすことができた。

 無論、然るべき対策はしっかりした上で、混雑を避けつつの旅。以下は、その完乗に向けての行程などの概略である。


9月3日(金)

 長野県で残っていた区間は、長野電鉄の小布施~湯田中、JR大糸線の県内区間(概ね平岩以南)。この日は長野電鉄メインで、全線の乗車+未乗降駅の降り乗り(できるだけ)に臨んだ。

A特急「ゆけむり」に乗って湯田中へ。小布施から終点までの区間が初乗車。(11:56、小布施を発車した際に撮った一枚)
12:18、湯田中に到着。長野電鉄はこれにて完乗。
(元)小田急のロマンスカーが温泉地の駅で待機・・・ただし、箱根湯本ではなく、湯田中。
「湯田中駅前温泉 楓の湯」。良質な温泉で、湯上り後しばらくはポカポカだった。
小布施(#2538)を訪ねたのは2010年12月のこと。長野電鉄の乗車もその時以来。

9月4日(土)

 大糸線は、修学旅行で沿線を通ったり、白馬方面をドライブしたりというのはあったが、鉄道の方はなぜかご縁がなかった。全区間を一気に乗り通すべく、しなの鉄道(北しなの線)、えちごトキめき鉄道(妙高はねうまライン~日本海ひすいライン)を乗り継ぎ糸魚川に出て、大糸線を北から南に進んだ。

 新潟県で最後に残っていたのが、糸魚川~平岩の県内区間。平岩を過ぎた辺りで、完乗となった。長野県の方も大糸線を残すのみとなったため、終点の松本に着いた時点で県内全線完乗。初めての路線の乗り通しで、二つの県の未乗区間をクリアしたというのは過去に例がない。一石二鳥に倣うなら、「一乗二県」「一線二完」といったところか。

糸魚川で大糸線に乗り換え。10:31発で1時間余り乗って南小谷へ。
大糸線、新潟県内南端の平岩駅。ここを出た辺りで、新潟県内の鉄道路線完乗となる。
JR西日本とJR東日本の境界駅、南小谷。JR西の車両(左)からJR東(右)の車両に乗り換える。11:35着、12:03発で、同駅滞在は30分ほど。
大糸線終点、松本に到着。糸魚川~南小谷~松本の乗車時間は約3時間。結構な長旅だった。
大糸線の車窓は、乗車時間の前半は姫川に沿った景観、後半は湖、田園、安曇野といったところ。こちらの写真は湖の一つ、木崎湖。
糸魚川から松本まで乗り、新潟県、長野県の鉄道は全線完乗となる。

左から、岩切~利府(支線)、塩釜~高城町(短絡線)、石巻~女川、新月~気仙沼の四つの区間が宮城県内で未乗だった。

9月8日(水)

 宮城県で残っていたのは、いわゆる盲腸線と呼ばれる路線が二つ(石巻線の石巻~女川、東北本線利府支線の利府~岩切)と、大船渡線の県内区間(新月~気仙沼)、そして忘れてはならないのが東北本線と仙石線の短絡線区間である。約300mとごく短距離だが、列車が定期的に走っている以上、乗らない訳にはいかない。

 その区間は、仙石東北ラインの列車に乗ればクリアできる。2020年1月、仙台エリアを旅した際に当該列車に乗ったが、この時は塩釜まで。その300m区間は塩釜の先(松島付近)にあるので、果たせなかったという話。3泊4日の旅の初日、9月8日は、仙台に着いた後でこの仙石東北ラインの快速列車で終点の石巻まで北上し、晴れて短絡線をクリアできた。思いがけず大雨の中での移動だったが、最前部に陣取り、東北本線からの分岐から仙石線への合流までをしかと見物。仙石⇔東北・・・よくぞつないだものだと思う。

仙石東北ライン「HB-210系」@仙台駅
短絡線区間走行中(塩釜→高城町)。左の複線が東北本線、右の単線が仙石線。東北本線の塩釜と松島の間、仙石線の松島海岸と高城町の間をショートカットするため、 仙石東北ラインは松島の名が付く駅(松島と松島海岸)を通らないことになる。

9月10日(金)

 18きっぷ、今夏の利用最終日にあたる。古川駅を発駅として、小牛田~一ノ関~気仙沼~柳津~前谷地~女川~石巻といった行程で、未乗区間を組み込んで周った。気仙沼に着いたところで大船渡線は完乗。前谷地から乗った女川行きで終点まで来たところで石巻線も全線達成。東北本線の利府支線も頑張ればこの日にうちに行けたが、暗くなってしまうのがわかっていたので見送り、石巻市内に泊まる。18きっぷの旅は、ホテル最寄りの駅到着を以って終了となった。

近距離きっぷ運賃表@一ノ関駅。下に伸びるオレンジの線が大船渡線。一ノ関~猊鼻渓は過去に乗ったことがあるので、猊鼻渓~気仙沼が初めて乗る区間。
猊鼻渓発車直後の前面展望。この直線の後は、左に大きくカーブしてから右に大曲がり。基本的にカーブが多いのが大船渡線の特徴。
終点の一つ手前、新月駅。この駅はまだ岩手県内で、この先300m進むと県境。
気仙沼では、大船渡線(列車)から気仙沼線BRT(バス高速輸送システム)に乗り換え。長距離のBRTに乗るのはこれが初めてだった。JRの乗り物なので、18きっぷが使えるのがポイント。
女川に向かう途中、沢田~浦宿では海(万石浦)を間近に見ることができる。
女川駅外観
女川駅ホーム。列車は17:43着、折り返しで17:52発だったが、到着が数分遅れたため、駅の滞在時間がさらに短くなり、あわただしい降りて乗ってになった。女川は見どころが多々あるので、改めて訪ねようと思う。

9月11日(土)

 ホテルから歩いて行ける仙石線の駅から仙石東北ラインの快速で塩釜へ。そこからバスで利府に向かい、宮城県内最後の未乗区間乗車に臨む。当初予定していたのは11:35発の岩切行き。期せずして夏の臨時列車の運転日だったため、11:12発の臨時快速が待機していて、それに間に合ったことから前倒しに。あわただしい感じになってしまったが、利府→岩切を乗り終え、めでたく県内完乗となった。東北6県では、山形県に続いて2番目。青森県は難度高めにつき、次の完乗は秋田県、岩手県のどちらかになりそうである。

仙石東北ライン、例の短絡線区間を今度は南下。左が仙石線、右の二本が東北本線。東北本線の上り線にそろそろ入るところを撮った。時刻は10:34頃。次の塩釜は10:41着。
近距離きっぷ運賃表@塩釜駅。この路線図だと塩釜からすぐに高城町につながるような形に見えるが、実際は松島の手前で分岐。
宮城県利府町にある利府駅。バス到着は定刻の11:09。列車は11:35発だったので、かなり時間があった訳だが…
臨時快速(利府11:12発)に乗れたため、予定よりも早く岩切に着く。ともあれこれで、宮城県内の鉄道路線は完乗となった。
こちらが利府支線の臨時列車案内(抜粋)。事前にわかっていれば、また違った行程が組めたと思う。

 年内はこの後諸々ありそうなので、次の泊まりがけの旅は来年か。気長にプランを立てようと思う。

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