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第576話 公衆電話(2021.9.1)

 日本で最初の「自動公衆電話」が登場したのが1900年の9月11日だったそうで、9月11日=「公衆電話の日」なのだとか。当たり前のように各所にあった公衆電話も着々と数を減らしているようで、相も変わらず公衆電話ユーザーの筆者としては苦慮すること多々。公衆電話は設置が義務付けられた台数というのがあるそうで、その台数を削減する案が今年4月に総務省の有識者会議がまとめたとの報道もあった。いよいよ公衆電話が見つけにくくなりそうだ。

 その報道によると、新しい基準では市街地で概ね1km四方に1台、その他の地域では概ね2km四方に1台とするそうで、それぞれ現行基準の倍(緩和)。この基準に沿うと、義務付け台数は27000台になり、案が出た時点の4分の1程度になるという。東京モノローグではこれまで、公衆電話を全面的に取り上げたことはなかったので、この記念日に合わせ、また、「数があるうちに撮っておくなら今」という趣旨で、今回のテーマとした。

 出先や旅先で、意識して撮るようにしてからのコレクション(というかセレクション)。ここに挙げた以外にも結構な数があり、市街地においてはまだ一定数はあるというのを認識する結果となった。画像メインで、タイプ別、シチュエーション別にご紹介する。


ブース式

 公衆電話=電話ボックスのイメージが強いが、街頭にあるのは必ずしもボックスばかりではない。ここに挙げた例はいずれもブース式。ブースの形状もまたいろいろなことがわかる。

赤羽駅東口、「東本通り」にはこのタイプの公衆電話が一定間隔で設置されている。筆者としてはありがたい存在だが、あまりにオープンなため、利用頻度は低め。
川口郵便局前。郵便局には公衆電話がつきものというのは過去の話で、今は意外と見かけない。
店先の公衆電話の例。「みどりや」にある緑の公衆電話・・・覚えやすい。
成増駅北口のファミリーマート店頭。コンビニに行けば公衆電話がある・・・今となっては過去の定説。
北区浮間5丁目は工場集積地。公衆電話が見つからないエリアだが、敷地入口にこのように設置している事業所があったりする。受付の方の許可を得て、一度使わせてもらった。

店頭、店内

店頭での設置例。昔ながらの商店では、いい意味で無骨な置き方になっていて、電話の方もなかなかの風合いに。
百貨店での設置例。そごう千葉店ではこのように設置してあったが、置かない百貨店の方が今は多いのではないかと思われる。
スーパー店内での例。買い物かごの除菌装置が幅を利かせているが、公衆電話も堂々健在。ちなみに筆者が公衆電話を使う時は、手持ちのスプレーを活用するようにしている。
テレホンカードが使えないタイプの公衆電話。スーパーにおける公衆電話は、このタイプを時々見かける。

 ここからはボックスタイプをシチュエーション別に紹介する。

トレインビュー

都電荒川線の滝野川一丁目電停前にある公衆電話。一定間隔で都電が行き来するので、電話しながら実況することも可能。ながら電話か、ながら電車か、まぁどっちでもいいだろう。
池袋駅西口、線路沿いにある公衆電話。東武東上線の列車が間近に見られるが、JR各線の車両もよく見える。高頻度ゆえ、電話での実況は難度が高いと思われる。
JR吾妻線の終点、大前駅。ローカル線の終着駅だが、公衆電話がきちんとあって驚いた。当駅発着の列車は本数が極端に少ないので、公衆電話よりも列車の方がレア度は高い。(駅ログ→#3546

ポストとセット

十条付近、環七通りで見かけた公衆電話と郵便ポストの横並び。両方に用がある時は便利な並びだと思う。
こちらはJR御殿場線の谷峨駅前での例。公衆電話は多少代替わりしていると思われるが、おそらくポストの方は長らく変わっていないはず。組み合わせの妙が感じられる。(駅ログ→#3562

歩道橋の下

中山道(国道17号)、志村坂下界隈にある公衆電話。歩道橋の下、歩道部分にそれぞれ設置してあるのがポイント。クルマの通行量が多いと、お互いの電話の声が聞こえづらくなるという難点がある。
板橋区は「赤塚小前」交差点付近にある歩道橋下の公衆電話。こうして改めて見ると、立地が窮屈な感じを受ける。
足立区鹿浜の赤い電話ボックス。貼り紙には、歩道橋の塗装工事期間にあわせて、公衆電話が使えなくなる旨が書かれている。撤去されてもおかしくない雰囲気だが、11月頃に使用再開予定とのこと。歩道橋の色が赤くなったら一興だが、はてさて?

赤いボックス

吉川晃司の代表曲「モニカ」。歌詞中、「赤い電話Boxの中から・・・」というのが最初の方に出てくる。赤い必要がどの程度あるのか不明だが、言われると印象には残る。で、実際の赤いタイプがこちら。「モニカ」は1984年の曲なので、その年にこの電話Boxがすでにあればあてはまりそうだが、どうなのだろう?
天井部が赤い電話ボックスの例。昔から見るタイプだが、年数は不明。JR相模線、上溝駅前にて。(駅ログ→#3568
こちらは地元界隈にある赤ボックス。新しいボックスに置き換えられることなく、維持している。削減対象となる可能性は高い?

設置場所いろいろ

国道254号、本郷から13km、日本橋から16.2km地点にある電話ボックス。所在地ではなく、距離標基準で場所を特定できるパターン。
北区西が丘で見つけた存在感のある電話ボックス。邸宅街にあるためか、心なしか重厚な感じがする。
板橋区「赤塚高台」にある電話ボックス。こちらは植栽に埋もれるパターン。電話機の緑色が際立って見える?
秋葉原、「ビックカメラAKIBA」前の電話ボックス。「FREE Wi-Fi」のステッカーが貼られていて、「公衆電話ボックスに設置しているWi-Fiアクセスポイント」を示すことがあとで調べてわかった。そういう役目を担っているとなれば、易々とは減らない?とも思う。(→参考
池袋、サンシャイン通りにある電話ボックス。こちらも「FREE Wi-Fi」のステッカーつき。上部には何らかの装置(街頭防犯カメラ?)が取り付けられていて多機能な印象。
豊島区駒込、染井銀座商店街にある酒店の電話ボックス。お店が設置しているというよりは、お店の一角(一部)が電話ボックスという一体型。「電話コーナー」と呼ぶのが正しそうだ。
別の日に通りがかったら、電話ボックスと自販機を除いてこの状態。改装か塗装かはいざ知らず、電話コーナーはどうやら存続する模様。

こんな例も

川口駅東口には、ボックスが5台並ぶ例が。人口60万都市の中心駅はやはりひと味違う。
500系「ハローキティ新幹線」の「TELEPHONE ROOM」。まだあるうちに撮っておいてよかったと思う一枚。新幹線車両には公衆電話があるのが当たり前というのは今となっては昔話。2021年6月末を以って、「新幹線車内における列車公衆電話サービス」は終了となった。(→参考PDF

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