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第531話 豪雨と増水2019(2019.10.16)

 荒川流域で長く暮らしていると、荒川の増水シーンを目にする機会も自ずと増えてくる。そのうち、堤防の隣は水面、つまり河川敷が水没するほどの大水となったのは二度(次段参照)あって、いずれも脅威に感じたものである。今回の台風19号に伴う大増水は、1999年の増水時と同様、特に上流部で長く激しく降った雨を集めてのことで、ある意味想定内。13日の明け方に一望すると、そこには大きく川幅を広げた荒川の姿があった。大荒川である。

第47話 豪雨と増水

第48話 続・豪雨と増水

第241話 「漂着モノログ」スタート!

こちらは13日11時過ぎの「大荒川」の様子。この位置での川幅はざっと500mほどになっていて、普段の荒川とは別次元。

 川は当然のように濁っていて、離れていても泥臭さが感じられた。流れが速いのも見てとれたが、気象庁の「洪水警報の危険度分布」で流域の警戒レベルをチェックしたところ、レベルが上昇する可能性は低いと判断。取り急ぎ近くに行ってみることにした。

 10時台、新荒川大橋(→地図)の歩道には、それなりに人出があって、スマホなどを向ける人もチラホラ。風がまだまだ強かったため、橋の端まで行くのは避けたが、広がった川幅全体を見るため、中央部近くまでは行くことに。普段、橋の辺りの幅は200m程度だが、この時は2.5倍くらいにはなっていて、実に驚異的だった。川の流れと風向きが同じだったこともあって、強風で流速が増している観もあったが、とにかく流れは速め。濁りの方もただならない感じで、空が晴れ渡っていたのとは対照的だった。

10時過ぎ、新荒川大橋の手前からの眺め(北区側から川口市側)。水量、水勢に加え、濁流…インパクトは大きい。
橋の中央部付近から上流側を撮影。流れがなければ湖である。風はとにかく強かった。
【2019.7.24撮影】いつもはこんな感じ。河川敷が水没してしまったのがわかる。
【2019.9.11撮影】台風15号が去った後だったので、漂流物が目に付く。15号の時は、河川敷が水浸しになることはなかった。

 橋から堤防に出る。荒川赤羽緑地は完全に水面下となり、緑地に通じる道も勿論寸断。堤防からすぐに川辺にアクセスできる状態になっている訳だが、警備等はなく自由に近づくことができた。自己責任で、ということなのだろう。

堤防上の道路から見た新荒川大橋。橋脚のかなりの部分が水に浸かっている。
無事だったとは言え、点検や保守は不可欠。何らかの作業がいずれ行われることだろう。
JRの荒川橋梁。こちらの橋脚も大部分が水浸しになった。列車は計画運休で走っていない。台風一過で遠望が利き、長野県方面の山々も撮ることができた。今回の台風では、こうした県境のの山地に大雨が降ったことから、源流、上流部から集まる水量が桁違いに。この一枚に題を付すなら、「山を観て川を想う」か。心しようと思う。
川に近づけるのはここが限度。
【2019.10.15撮影】2日後、水は大方引いて元の姿が見えるように。増えた水位の位置もわかる。

 JRの鉄橋よりも上流側はどうかと言えば、サッカー場、ゴルフ場とも見る影なし。ゴルフ場コースと河川敷道路との境界線となる木々は、上部だけが連なる形でそれが川の流路を作っていた。二つの荒川、そんな感じだった。

JR鉄橋。手前から湘南新宿ライン系統、上野東京ライン系統、京浜東北線の順。仮にこの状態で列車が通ると、乗客は水面を走る感覚になると思われる。
【2019.5.3撮影】普段はこのようにサッカーのグランドがある。荒川の流れは、奥の木々の向こう側。
【2019.10.15撮影】水は引いたが、支柱は倒れ、ゴールの姿もない…
水位が増し、土手から川が届く恰好に。手前が副流、奥が本流といった様相。
箱が流れれば、タイヤも流れる。大物はそれほど見かけなかった。
岸辺は比較的穏やかだったようで、カルガモが悠長に泳いでいた。至近距離で鳥が撮れるのは増水時ならでは。
【2019.9.29撮影】こちらが日頃の河川敷道路、木々、ゴルフ場。カルガモが近くに現われることはまずない。

 埼京線の北赤羽駅付近からは、荒川に沿うように新河岸川が流れ、2.5kmほど東に進むと隅田川になる。新河岸川の水位も並々ならぬものがあったが、何とか無事だった。その跡はこの通り。初めて見る光景ではないものの、やはり凄まじいものを感じる。

新河岸川に架かる浮間橋から北東方向を撮影。一時はどうなることかと思った。

 ちなみに新河岸川の警戒レベルは、4(氾濫危険情報)が一定時間続いた。氾濫すると大変なことになるので、12日はヒヤヒヤしながら見守っていたが、幸い日付が変わった後(13日0時40分)にレベル3(氾濫警戒情報)に下がり、ひと安心。かつてない緊張感を味わったことは確かである。

【左】雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)/洪水警報の危険度分布【右】(2019.10.12)
15:30・・・荒川はレベル3(氾濫警戒)、入間川流域はレベル4(氾濫危険)だった。
17:30・・・荒川もレベル4にアップ(多摩川も同レベル)。新河岸川はレベル3に。埼玉県西部など、荒川上流部の雨はなお激しい状態。
19:30・・・豪雨ゾーンが線になり、紫色(1時間80mm超)のエリアも出始める。芝川・新芝川がレベル2(氾濫注意)から3(氾濫警戒)に。
21:30・・・雨の範囲に変化が現れるも、埼玉県は全域が豪雨下に。入間川流域はレベル5=氾濫が発生。
22:00・・・雨が強いエリアは北関東側へ。氾濫が起きた入間川流域の上流側河川の危険度は橙から黄色が増え、雨の収束が見てとれた。(実際には時間差があるので、あくまで目安)
23:00・・・東京、埼玉の雨はだいぶ落ち着いてきた。その一方で多摩川は氾濫が発生。新河岸川はレベル3(氾濫警戒)から4(氾濫危険)に上がった。新河岸川に注ぐ河川の危険度は下がっているので、これ以上はないと見る。
13日0:00・・・雨は概ね上がった。荒川、入間川、新河岸川一帯の中小河川の色も水色が増えてきた。新河岸川のレベルはこの後、0:40時点で4→3になった。

 台風19号は、三連休を狙い撃ちするようにやって来た。三連休のうち、10月14日は、呼称としては最後となる「体育の日」だったのと、「鉄道の日」当日だったため、その関係の行事、イベントは多かった。鉄道に関しては、年に一度のものなど恒例のイベントが集中していた時期だけに、仕事上も趣味上も痛かった。加えて、至る所で不通区間が発生。復旧までに長い期間を要しそうな区間も多く、秋の鉄旅への影響は必至・・・旅の予定は特段立てていなかったが、行こうとしていたエリアに行けないというのは少なからず出てくるだろう。(行くとすれば、復興応援企画のようなものに合わせてとか…)

首都圏のJR各線は、12日から13日にかけて計画運休がなされ、13日正午時点でもなおこんな具合。稀に見る事態となった。

 という訳で、三連休はおとなしく過ごすことを決め、10月11日は朝早めにスーパーで買い出しなどに出る。一旦帰宅してから、いつものように出社。その帰途に別のスーパーを試しにいくつか覗いてみた。案の定、パンやインスタント食品を中心に品切れが目立ち、朝のうちに動いたことが吉と出る。12日は、その買い出し品などでしのぎ、13日は荒川などの様子見を兼ね、店舗の開店状況をチェック。午後から食事に出るなどした。14日はその気になればどこかに出かけられたかも知れないが、テレワーク日にしていたので遠出は無理。どの路線のどの区間が×といった情報を整理、メンテしていたら、夕刻になっていた。

9時台はパンもまだまだ充実。
その12時間後、別の店舗にて。パン類は完全に売り切れ…
計画運休予告。「被害を受けた線区では長時間にわたり運転見合わせとなる可能性」・・・その通りになってしまった。(→参考
10月13日は、店によって開店時間などに差が出た。近所のマクドナルドは、12時以降との掲示。その時間に合わせて客が集まり、長い行列ができていた。

 鉄道のありがたさを改めて実感した一日・・・令和最初の「鉄道の日」は例年と違う形で鉄道三昧となった。今はただ、少しでも早い復旧を祈るばかりである。(被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。)

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