列車の車窓など、窓越しに風景を撮る場合、窓にレンズを当てた状態でというのが基本。かなりの数を撮っているが、上手く撮れる時とそうでない時があって未だに極意のようなものは確立できていない。
窓に当てない形で撮る場合ももちろん多々あって、離れた場所からであれば外の景色とあわせて窓枠なども一緒というケースも少なくない。窓そのものを主眼にしている訳ではなくても、窓を含んだ一枚というのが案外佳い感じになるもので、今回はそうした例を今年撮った中から紹介しようと思う。
展望窓
1/27、富山市役所の最上階(8階より上)にある「展望塔」を訪ねた際に撮影。窓に案内表記があるため、見返す時の都合を考えるとこの撮り方がいいだろうということになる。手前の道路は城址大通り。その先に富山駅がある。方角としては北になり、見晴らしがよければ日本海などが望める(ことに案内上はなっている)。
5/2、西武の特急「Laview」に初めて乗車し、所沢に着いた時に撮った一枚。「view=大きな窓から移りゆく眺望」と標榜するだけあって、とにかく窓が大きいのが特徴だが、窓一面に水玉を配したデザインになっているため、その水玉にピントが合ってしまうと「玉の後方で移りゆく不明瞭な眺め」の写真になってしまうという難点がある。窓から離せばそうしたことはなく、指差喚呼の瞬間もバッチリ。「Laview」乗車の記念写真としても上々だと思う。
6/9、北越急行のツアーで「えちごトキめきリゾート雪月花」に乗車。この列車も大きな窓がセールスポイントだが、天井部近くまで窓面が設えてあるため、よりワイドな車窓が楽しめる。そのワイドな感じがわかるのがこの一枚。写っているのは黒井駅付近で見かけたEF510形(の510号機?)。
窓枠+車窓
3/1、豊肥本線の玉来駅に着く手前で「たまたま」駅名標が収まった図。鳥居?を模した駅名標の枠が車窓にピッタリ来る感じで、カーテンを開けてお披露目したような構図になっているのがポイントだと思う。
3/3、福塩線の梶田駅で撮った後方展望。枠に相当する部分が暗いため、線路の輝きがより燦然と見える。
同じく福塩線の車窓(3/3)。吉舎駅を出ると、尾道自動車道が目に入り、それを追っていたところ「石州瓦」の家屋が見えたので、すかさずシャッターを押した。建築物としては相反するような観があるが、額絵として見ると不思議と調和している気も。窓に近づけて撮っていたらまた違う見方になるのだろうと思う。
大型施設
2/28、羽田→熊本(ANA2413便)の搭乗前に撮ったANA機の並び。空港の建物内で機体を撮るとガラス越しになるのが必然で、反射だ何だで上手に撮れないものだが、これはまずまずといったところ。あまり考えないで撮るのがいいのかも知れない。
4/3、東京ミッドタウン八重洲に出かけた際に撮影。5階から窓越しに東京駅(グランルーフ)を撮るとこんな感じで何とか?収まる。(参考→第615話)
名建築
5/27に訪ねた川口市の旧田中家住宅。洋館2階(書斎)、和館1階(廊下)で何気なく撮ったものを改めて見てみると、名建築ならではの趣に気付く。洋の窓からは洋館の壁面など、和の窓(というか引き戸)からは庭園が見える点もポイント。それぞれのテイストに合っていて、より美しく感じる。(参考→第618話)
6/10、新潟県上越市の高田エリアを観光。訪ねるべきスポットが点在する中、まずは「旧師団長官舎」だろうということで早々に向かった。当所を含め、高田駅から距離があるところが多かったのでレンタサイクルを利用。おかげで有意義な観光ができた。
旧師団長官舎は、木造2階建ての洋風建築。外観は洋風だが、内部は1階が洋室、2階が和室のため「和洋折衷」式の建築物として紹介されている。1910年築で1993年に現在地に移築。写真は1階の「半温室」、2階の「座敷・居間」で、同じ方角を撮った。窓越しの景色は1階と2階で異なるが、庭の眺望という点では共通。窓の様式に合わせるように、洋の趣、和の趣がそれぞれに感じられるところがまた興味深い。
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