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第647話 アラートな夏(2024.8.15)

 前回の第646話は記録的短時間大雨情報が出ている中でキャプションなどを足していた。概ね仕上がっていたので、雨雲や暴風の様子を逐一チェックしていて、大雨が降り出す前から一段落するまでを見るなり撮るなりしていた。18時頃からの雨は何だかんだで1時間以上降り続き、北区志茂では1時間に102mmと正に記録的な降雨に(→参考)。同じ区内であれば似たようなもので、確かに凄まじかった。感覚的には暴風雨である。

荒川と川口市方面が望める某所にて。7/31の17:50頃、このように低く不穏な雲の動きが見られ、しばらく眺めていると18時には強風とともに豪雨に。雨は視界をかき消すほどで正に記録的なレベルだった。
紫色は1時間80mm超を示す。この紫が北区や板橋区にかかる時間が長かったため、両区内などで冠水・浸水が各所で発生。まさかの事態に見舞われた。

 記録的短時間大雨情報は、情報とは言ってもある意味アラートに相当する。「その場所で数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析をしたときに、気象庁が発表するもの」なのだそうだから、インパクトは大。実際、赤羽駅西口の商業施設「ビビオ」では1階が浸水し、その水がさらに地階に流れ込んだことで、少なくとも8/1はその地下の店舗は全店が休業となった。大雨の翌朝、赤羽駅西口周辺をざっと見た限りではどことなく嵐の後の…といった印象。当のビビオについては店内の一部に泥水などが残っている様子だったが、細部はわからなかった。

 自転車で赤羽から板橋区方面へ。同区も約100mmの記録的短時間大雨に見舞われたため、筆者としては富士見街道沿いにあるトランクルーム(2021年当時は「第三」、現在は当所のみ→参考が大いに気になり、見に行くことにした。ロケーションの都合上、排水溝で捌けない分は出入口扉の隙間から入り込んでしまう。嫌な予感は的中し、フロア奥側に一定量の浸水が確認できた。奥=自室前。おそるおそる自室を開けてみると、床面に置いた段ボール箱の一部に水がしみ込むといった状態だった。ひととおり見たところ、その箱の中に入っていたものが部分的に濡れた程度で、目立つダメージはなし。トランクルームは、もともと床に直置きするタイプではなく、プラ製のスノコが敷かれていて、その上にカーペット材(端材)や使わなくなった敷布を敷き、スノコを隠すようにしていたので、それが奏功したようだ。敷布エリアは全面的に濡れていて、その上に置いた段ボール箱が布を介して吸水した恰好。あと数cm水位が高かったらさすがに…だったろう。

水を汲み出すのにチリトリとダストボックスが活躍。ホウキも水や浮遊物を集めるのに多少なりとも役立った。

 とにかく廊下の浸水は何とかしないといけないので、自前の掃除用具などを使ってせっせと排水。ホウキとちりとりを駆使して水を掬ってはプラ製のダストボックスに移し、それを外の排水溝へというのを繰り返す。その量、大雑把に見て100リットル。作業の甲斐あって水浸しは解消したものの、泥水が乾いた跡が出入口付近に残るといった件は手が回らなかったので管理会社に連絡し、今後の大雨対策などの話もできた。廊下などの清掃は8/2のうちに業者が対応。8/3に再度トランクルームに出向いた時にはキレイになっていた。

 8/3は事後の処置として、8/1に取り急ぎ乾かしておいた敷布の水洗いと天日乾燥、床面のスノコの水拭き、アルコール消毒、敷布等を敷いていなかった箇所の濡れ具合点検(拭き取り)、使えなくなった段ボール箱の入れ換えなど。ひと作業だった。

 8/7もまた局地的な大雨が降ったので、念のため8/10も夜にトランクルームへ。幸い何事もなく、敷布を整え、箱を置き直し、「湿気とり」(百均品)をセットして帰宅した。

 時間雨量100ミリ越えは要注意。今回の教訓の一つである。

8/7(水)の雲と空。午前中は夏らしい晴天だったのだが…
18時台は一転して雷と雨。閃光が空一面に広がるシーンも多く見られた。雨は夜遅くまで断続的に降り、久々に外気に涼しさ(強風時は寒さ)を感じることができた。

 大雨のアラートは出る時は出るという感じだが、連日のように発せられるのもあって、その代表格が「熱中症警戒アラート」。2024年は6/29が東京都における初日で、その後は7/2~9、15、16、20、22、23、26~31、8/2~6、9~14とかなりの頻度になっている。

 アラートが出たとしても出かける時は出かける必要がある。その際の備えとしては、日傘代わりの折り畳み傘や自己流ミストシャワー用の霧吹きの二つ。8/4は「箸の日」にちなんで行われる「箸感謝祭」のため、日枝神社にまず足を運んだ。用済みになった箸を自ら持ち込んで焚き上げに投じるといった簡素なもの。行事自体は前々から承知していたが、参加したのは今回が初めてだった。

箸感謝祭は、8/4の10:30~12:00の開催。境内に着いたのは11時半頃だった。
先が折れるなどしてお役御免となった箸を火中へ。感謝しつつ祈りつつ…
それなりの高さまで炎が上がり、見ているだけで汗が出てくるお焚き上げ。聖火台のようにも見える。
着いた時間が遅かったせいか、箸を焚き上げに投じる参拝客は少なく、境内も比較的閑散としていた。筆者は参拝を含めて15分ほど滞在。

 日枝神社と来れば冷え冷えしそうなところ、燃え上がる箸を間近にすればアツアツになるのは必至。霧吹きで涼をとるなどして何とか凌いだ。この時はまだ動けていた訳だが、12時台に日比谷公園に寄った時はどうにも動きがとれず・・・いわゆる危険な暑さを体感することになる。

 公園の北側で「アオノリュウゼツラン」が開花した件を受け、それを軽く観賞するつもりで来園したのだが、日射と南風が良くなかったようで見物、撮影している間に熱中症傾向に。雲一つなく、園内の木陰も限られていたため、地下鉄出入口(日比谷駅A10)までの約170mがとにかく遠い。日傘も心許なく、頼りの霧吹きも水量が不足… ピンチだったが、リュウゼツラン付近にフェリーチェガーデン日比谷という建物があり、その別棟(挙式用のホール)が開放されていたので、そこのエアコンでひと涼みさせてもらい、事なきを得た。

12時半を回った辺で日比谷公園へ。有楽門から入り第一花壇に向かって歩く。写真で見てもやはり暑そう。
「ペリカン噴水」の脇で直立するアオノリュウゼツラン。7/10に開花し、その翌日に高さ7.7mまで行ったところで伸びはストップ。花は1か月ほど見られるとのことだったが、「散り始め」に相当する印象・・・咲いている観はなかった。
花は下から上へ咲いて行くのだそうで、花の跡が残っていたのは上部の方。こんな状態でも見物、撮影する人は少なからずいた。
高さの推移などをまとめた「成長記録」。5/19:430cm、6/12:658cm、6/29:756cmと驚異的な成長ぶり。(→参考
リュウゼツランはパッとしなかったが、スズメの水分補給シーンを観察できたのはちょっとした収穫。ペリカンの口から流れ出る水を器用に飲み、ひと呼吸おいた場面がこちら。
その後再び給水態勢に。この様子を見て、筆者も水分をと思った。

 意を決してA10まで歩き、千代田線に乗る。構内コンビニに霧吹きを置き忘れて引き返す場面もあったが、とりあえず車内で涼気を得て回復した。国会議事堂前→溜池山王の乗り換えを経て南北線で帰途につくも、こちらは車内の冷房がいま一つで途中で乗り換える事態に。この日は東京メトロの24時間券で移動していたので、一旦外に出た上でより確実な冷房環境に身を置いたり、駅近の店舗で飲料を調達したりというのは自在。24時間券のおかげで助かったという面は大いにあった。地元のメトロ駅、赤羽岩淵に着いたのはそんなこんなで15時過ぎ。平時であればここから自宅までは徒歩で済むのだが、外に通じる階段を上る際に吹き込む熱風に出鼻を挫かれ、外に出てみれば相変わらずの強烈な光線で気力が失せる。ここで無理をするよりは王子に戻って、JRで最寄駅をめざすのが賢明と考え、迂回ルートで家路についた。

8/4(日)の東京都千代田区基準の気温推移など。日照60分が続き、南からの風も徐々に強まり、着々と暑くなったのがわかる。日比谷公園にいた時間帯は34.8℃。秒速3mの南風が加われば体感としては38℃近く。身動きがとれなくなる訳である。

 とは言え、地上の駅はやはり暑い。王子も赤羽もホームにいる間はどうしようもなく、コンコースも冷房が利いている訳ではないので涼みようがなかった。

 猛暑の中を出かけるのは控えるべし。これも一大教訓となった。


 アラートは雨、暑さのみならず、8月は地震に関するものもあって日々の穏やかさが減じることに。8/8の「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)、8/9の緊急地震速報と立て続けだったので、余計に感じるものがあった。臨時情報の終盤には台風7号周りのアラートが待っていて、またしてもトランクルームを案じる展開に。兎にも角にも2024年は例年以上に「アラートな夏」になりそうである。

アラートと聞くと思い出すのが山形鉄道の荒砥駅(2012.7.20来駅→駅ログ)。先の台風5号では少なからず影響があったものと思われる。

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