Skip to content

第611話 西大井→大井町からの東新橋・イタリア街(2023.2.15)

 今となっては昔話だが、東急大井町線沿線在住だったり、最寄駅が西大井だったりという身としては、戸越公園駅は少なからずなじみがある。(その西大井の頃は直線距離で1.5kmほどのところに戸越公園駅・・・何番目かのアクセス駅だったことになる) なので、東京都都市整備局のホームページに、「東急電鉄大井町線(戸越公園駅付近)の連続立体交差計画及び関連する道路計画と交通広場計画」に伴う都市計画素案説明会の案内が出たとなれば、参加していいものなら参加しようとなるのはもっともな話。その2回目の説明会が2/11に行われるというので足を運ぶことにした。

 会場は下神明駅に近い品川区立豊葉の杜学園。大井町や五反田などから東急に乗れば下神明に行ける訳だが、時間的余裕がある中では会場に近い駅をめざす必要はない。徒歩圏の駅であればいいので、西大井→会場→大井町という行程に。これならJRのみで済むので久々に「都区内パス」を買って、程よい時間に着くイメージでゆったり出かける。西大井に着いたのは13:06頃。駅の外に出るのは2007年11月以来である。

品川駅で少々時間があったので、新幹線の乗換改札を見物。東海道新幹線は東京から乗るのが基本なので、「東京方面」の発車標を見ることはない。何だか新鮮だった。(それにしても「のぞみ」の本数の多いこと)
西大井駅前。当地に来たのは約15年ぶりだったが、久しぶりな感じがあまりしないのは新幹線で見下ろすことが多いためと思われる。左のバスは品川区のコミュニティバス「しなバス」。

 説明会の開場は13時半。14時の開会だった。早めに着くように動いていたものの、お昼をとったり、豊葉の杜学園までのルートを散歩気分でのんびりやっていたため、会場入りしたのは5分前といったところ。定員は約400人とのことだったが、この時は半分程度だった。多いとは言えないが少ない訳でもない。いわゆる適正人数で、その辺を見越した会場設営と見受けた。

説明会会場入口。会場は、豊葉の杜学園北棟2階のアリーナだった。
配布資料の一例(左:説明用のスライド集、右:当計画のパンフレット)

 戸越公園駅付近の連続立体交差計画は、早い話が駅を含む前後の区間を高架化するというもの。地下化の選択肢もあったが、事業費等を勘案すると高架化がより優位とのことで、その前提での説明だった。

赤線部が都市計画区間(約1.1km)

筆者なりに要約すると、

  • 高架化の対象区間(事業区間)は約0.9km、同区間を含む都市計画区間は約1.1km
  • 事業区間が1kmに満たないため、東京都環境影響評価条例の対象外(1km以上が対象)だが、騒音、振動、日影などの調査は実施済みで、報告書の閲覧も可
  • 高架化される区間の両隣はすでに高架・・・大井町~中延が連続して高架になる
  • 戸越公園駅は高架駅に・・・現況の対面式(2面2線)から島式ホーム(1面2線)へ
  • ホーム位置は西側(中延側)に約30mシフト
  • ホーム幅は最大8mを予定・・・大井町線の他の駅(上野毛、等々力など)の7mより広めに
  • ホーム長は約110m・・・将来的に列車が7両化しても対応できる長さを確保?
  • 高架化に伴い、踏切6か所(下神明1号・2号、戸越公園1号~4号)が除却・・・6か所ともピーク時は「開かずの踏切」状態(1時間に40分以上遮断)
  • かつてホーム東端にあって、ホームの延伸を妨げる形になっていた踏切道は、高架化によって復活する見込み・・・ホームが短かったことで、列車の東側(大井町側)2両分はドアの開閉が行われない(ドアカット)扱いだった。当の踏切は移設され、2013年にホームの延伸部が供用となり、ドアカット運用は終了。

など。(説明会で配られた資料などはホームページにひととおり載っているので、気になる方はこちらでと思う。)

都市計画区間1.1kmに対して、事業区間は0.9km。高架駅の北側には交通広場(黄土色のエリア)が整備される。青線部は「鉄道付属街路」(側道)。

 複線区間を複々線化にする事業だと用地は「取得」が前提で、地権者に元の土地が戻ることはない。複線を高架化する場合は隣に仮線を設ける際に用地を取得する必要はあるが、元の線路が高架になれば仮線部分は要らなくなるため、地権者への返還が可。つまりは「借用」である。これだと紛糾する要素が減るためか、質疑応答も至って穏やかなものだった。

 当該区間近隣にお住まいの方ならではの質問としては、除却予定の最西部の踏切(戸越公園4号)の西にある「中延架道函渠」、その函渠付近にある戸越六丁目児童遊園とその桜が本事業でどうなるのかというのがあった。函渠の道路はクランクを解消しつつ歩車分離をめざし、児童遊園は工事エリアにかかるも桜の木は保全できるよう検討といった回答。そのうち現地を見に行ってみようと思った。

 質疑応答が始まったのは14:40頃で、閉会は15時半予定。特に押すこともなく、総じて円滑な説明会だった。おかげで午後の自由時間はたっぷり。「都区内パス」もあることなので、次なるプラン「懐かしの駅スタンプラリー」に励むことにした。


 当スタンプラリーは2022年にも開催されていたので、今回は第2弾にあたる。要領は前回と同じで10駅分のスタンプを集め、所定の条件をクリアすれば「10駅達成賞」として、「復刻時刻表風オリジナルノート」&「50駅踏破用スタンプ帳」がいただける。すでに地元の2駅分(赤羽、東十条)を押した上で、西大井に来る前に品川で降りて押しておいたので、残りは7駅。帰途ルートにある駅で、大井町、新橋、有楽町、東京…といった順に押していくことにした。

 豊葉の杜学園から大井町に向かう途中には、しながわ中央公園がある。複数の線路が並行、交差する地にあるので、東海道新幹線、横須賀線、湘南新宿ライン、東急大井町線などの各列車が見渡せるのがポイント。このトレインビュースポットでしばらく見物、撮影をしてから大井町線に沿って大井町に向かう。品川区役所から東側はJRの東京総合車両センターエリアで、高架下店舗の間から社宅などがかつては見えていたのだが、同エリアの西側で大規模な解体工事が進行していて驚くことに。あとで調べたら、事業名(仮称)は「大井町駅周辺広町地区開発」(→参考で、「品川区の中心核にふさわしい多様な都市機能を備えた複合拠点」などができるとのこと。区役所もこれに含まれるようなので、敷地面積としては広い。正しく「広町」である。

しながわ中央公園から新幹線車両を撮るとこんな具合。大崎駅周りのタワー群を背にした走行写真が撮れる訳だが、いろいろ被ってしまうのが難点。とりあえずN700Sが撮れたのでお開きに。
公園は広々していて、遊び方の自由度も高い。テント関係、サッカー練習、フリスビーなどなど、皆さん一様に楽しそうだった。
東急大井町線の高架下を歩いて大井町へ。将来的には中延の先まで高架部がつながることになる。
「広町地区開発」の西側エリア。JRの社宅などはすでに解体され、更地化が進行中。

 しばらく来ないとこうした変化はわからないもの。こうなると前々からその変貌ぶりはわかっていても、なかなか足が向かなかったエリアというのも気になる訳で、今回は新橋で降りたついでに駅の南方面に行くことにした。

新橋駅5・6番線ホームの駅名標。一部がこうした「鉄道開業150th」デザインになっている。期間限定だろうから見物、撮影はお早めに。

 新橋到着は16時半頃。暗くなるまでにはまだ時間はある。ニュー新橋ビルを経由して、南改札前でスタンプを押し、その目的地へ。東新橋二丁目=通称「イタリア街」である。

 イタリア風の街区ができたのはオープン時期から承知していたし、新橋~浜松町を山手線などで移動している時にもその一角を見て概況は把握していた。が、現地を訪ねる機会がないままかれこれ20年ほど。満を持しての来街となった。

右下が日比谷神社。右方向に進むと「イタリア街」に出る。JRの高架の後方にそびえるタワーは、中央が汐留メディアタワー、その右隣がトッパンフォームズビル。神社の後ろ側に建つ二棟は東京ツインパークス。シオサイトの3区D南街区にある。

 イタリア街の入口は日比谷神社が目印。神社を回り込むようにして、第一京浜(国道15号)を一つ中に入った道を往くとそれらしい建物の連続が目に入る。さらに歩き進むとこれぞイタリア街というゾーンになり、プチ観光気分に浸れる。2/11は土曜かつ祝日。お休みの店がチラホラあって、その分人通りも少なく、適度に閑散としている感じがまたよかった。人出がなければ街並主体の写真が撮れる。ここぞとばかりによく撮り、程々に歩いた十数分間だった。

イタリア街の中心地界隈
東新橋二丁目交差点付近から見たイタリア街
右の建物が街のシンボル的存在にあたる「コモディオ汐留」
左のグラディート汐留、中央のコモディオ汐留が囲う形で、街の広場がある。名称は汐留西公園。
汐留西公園から見たイタリア街。日本離れした印象を受ける。
店舗もとにかくオシャレ

 一帯は「シオサイト」の5区にあたる。JRの高架を挟んだ反対側には3区などもあって、その界隈も未訪。最も南に位置する4区に至っては浜松町が至近なので、今度は北上ルートで4区、3区、5区と周遊するのも良さそうだ。イベントシーズンなどにまとめて訪ねてみようと思う。

 観光を終えた後はスタンプの続き。有楽町、東京、秋葉原とこなし、残りは2駅分となった。上野東京ラインで帰るのが楽だろうと考え、上野、尾久の順に押して完了とするつもりだったが、上野駅のスタンプ待ちの列は長く、その長さが常に一定なので当駅分は断念。代わりに日暮里、田端で押し、10駅分達成と相成った。地元ニューデイズで買い物し、「10駅達成賞」と引き換えたのは19時過ぎ。我ながらご苦労なことだと思う。

東京駅のスタンプコーナーには、懐かしの駅ならぬ「懐かし車両」の展示があって、足が止まる。これは必見。
東京駅のスタンプは丸の内南口改札外に設置。先客はいなかった。
「10駅達成賞」のセット(ノートとスタンプ帳)。ノートは2022年版同様、なかなかのアイテムだった。

 かくして今回の「懐かしの駅スタンプラリー」で集めたスタンプは、北は赤羽から南は品川に至る京浜東北線の10駅という結果に。内訳は、「史跡や建物、文化財が特色の駅」「新しい建築や文化施設が特色の駅」「風俗、行事、祭りが特色の駅」「何かが国鉄で一番の駅」が2駅ずつ、「歌、文学、伝説、人物が特色の駅」「産業が特色の駅」が1駅ずつで、それぞれに「な~るほど」と思わせるデザインだった。

田端駅でスタンプを押し、ひとまず10駅分は完了

 10駅の次のステージとして、50駅が控えている訳だが、常磐線は土浦、中央線は高尾、東海道本線は小田原といった具合にその端はなかなかの距離。一日でクリアするのはおそらく難しい?と思われる。それでもニューデイズに寄れば、「50駅踏破賞」を引き換える方は時々現れる。ただただ脱帽の筆者である。


こちらもどうぞ

Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.