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第612話 上板橋(2023.2.28)

 今回は久々の「街」ネタ。東武東上線の上板橋駅とその周辺について、筆者なりのまとめ等をご紹介する。


ダイヤ改正での変化

 東上線の都区内区間は池袋~成増が該当し、その途中には北池袋から下赤塚まで8駅ある。これら8駅はどんなに利用者数が多かろうが、普通列車しか停まらないことになっていて、準急、急行といった速達系の列車はスルー。特に下赤塚は池袋からだとただただ時間がかかる訳で、途中のどこかしらで準急→普通の乗り換えができれば少しはいいのにと沿線住民でなくても思ったりしたものである。

 その8駅の中で一大変化を迎える駅がある。それが上板橋。3月18日のダイヤ改正で、当駅に晴れて準急が停まるようになる。他の7駅からすれば「なぜ上板橋?」という声も上がりそうだが、2面4線という構造上、いわゆる「緩急接続」(普通⇔準急の乗り換え)が可能なこと、1日平均の「乗降人員」が8駅の中では2番目に多いこと(2021年度で約4.2万人)を考えれば妥当な決定だと思う。

下赤塚、東武練馬、上板橋、ときわ台、中板橋、大山、下板橋、北池袋・・・停車するのは普通のみというのが長く続いたが、ダイヤ改正で上板橋に準急の〇が加わる。ダイヤ改正ではこのほか、快速の廃止、快速急行の停車駅変更・追加、急行の朝霞停車などもある。(→参考
上板橋を通過する池袋行き準急。3月18日以降、準急の通過はなくなる。
「準急 当駅通過」・・・この表示も見納めに
ダイヤ改正では東上線のみならず、和光市から東京メトロに直通する系統にも一大変化が。東横線の日吉から新横浜や相鉄線方面に分岐する線が路線図に加わる。

 池袋~上板橋は営業キロで6.0km(間に5駅)、上板橋~成増は4.4km(同2駅)なので、8駅の中で中間に位置する訳ではない。それでも東武練馬、下赤塚の利用者にとっては、池袋から準急に乗って次の上板橋で降り、普通に乗り換えれば以前よりも速く着けるようになるので、中間地点である必要はない。メリットが薄いのは上板橋の一つ手前、ときわ台の利用者だが、池袋から5駅目というのはこれまでと変わらないし、川越方面からの場合は成増から準急に乗れば上板橋での乗り換えでより速く着くことになるから、それはそれという話だろう。かつて東上線利用者だった筆者としても本件は驚き。地価や賃料なども変わりそうだが、その辺は気が向いたら調べてみようと思う。

上板橋駅上りホーム。蒙古タンメン中本の本店は北口下車すぐ。

上板橋と言えば

 もともと利用者が多い駅なのだから、駅周りもそれなり。商店街、商業施設、各種施設などいろいろあって、暮らしには便利そうな印象はある。

 ときわ台界隈のトランクルームを使うようになってから、隣駅の上板橋エリアもなじみが出てきた。駅の北側だと、富士見街道、コジマ、イトーヨーカドー、星乃珈琲店、南側だと、旧川越街道、上板南口銀座商店街、トレジャーファクトリーといったあたり。駅から少し離れた範囲だと、板橋区立中央図書館、図書館がある平和公園は何度かといった具合。図書館1階にあるカフェ・ド・クリエも数回利用した。

イトーヨーカドー上板橋店。西向きの面は「7」。
南向きの面はおなじみの鳩のマーク。7と鳩で2面ずつということになっている。
イトーヨーカドーは東上線と並行する「ときわ通り」に面している。通りを東に進むと平和公園と中央図書館があることから「図書館へつづく道」と称してPR。
平和公園と園内にある中央図書館。図書館エントランス横にある店舗はカフェ・ド・クリエ。
上板橋駅北口。目印は星乃珈琲店。
星乃珈琲店のモーニングサービス。ブレンド(480円)に、トーストとゆで卵がつく。このセットのおかわりは何と100円。おかわりはミニパンケーキのチェンジも可で同じく100円。つまり580円で、コーヒー、トースト、ゆで卵、パンケーキがいただける。物価高騰の折り、ありがたい設定だと思う。
コジマ×ビックカメラ上板橋店。上板橋エリア唯一の家電量販店。七軒家通り沿いにある。
トレジャーファクトリー上板橋店。トランクルームの棚卸等で出た用済み品を時々持ち込み、買い取ってもらったり、見合わせたり… 見合わせ品の一部はジモティーに出品している。相場を把握する上で「まずトレファク」というのがいいようだ。
富士見街道も商店街を有しているが、沿道にはその分派のような商店街もある。この「ニコニコ通り」は下の地図で言えば中台一丁目内。「アド街」上板橋放送回ではエリア外だった。

 ただ、行きつけの店や施設がある訳ではないので、街のディープなところは不詳。自転車で動く中での道路事情を弁えている程度である。


アド街系スポットなど

 という訳でまだまだ「上板初心者」ということもあり、ここは一つ「アド街ック天国」情報をもとにリサーチするのがよかろうと思い立ち、番組で出てきた店などを巡ってみることにした。以下、登場順(20位→1位)に軽くご紹介する。(写真はいずれも訪ねた日=2/17に撮影)

*「上板橋」の回は2015年5月9日だった。8年近く経っているので、閉店してしまったり、探しようがなかったりというのもチラホラ。その点、ご了承のほどを。

番組で「上板橋」の範囲となったのがこちら。駅を中心に同心円ではなく、町名としての上板橋+南北軸という扱いだった。中台一丁目も入りそうだが、これを入れると隣の区(練馬区錦一丁目など)も含めないとバランスが… そんな判断があって見送られたのではないかと思われる。

20位 八百屋激戦区

19位 ファミリーファッション マルミ

上板南口銀座商店街の両サイドに店を構える。激安ファッションが大充実のお店。

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 特定の範囲に1号店、2号店といった感じで展開する衣料品店の上板橋版。十条のポポみどりや、巣鴨のマルジに通じるものがある。

マルミ洋品店×2。奥に見える庇部が青の店は、ランキング3位の「ひと本 石田屋」。

18位 おかずや

お弁当とお総菜の人気店。お弁当は70種類。お総菜は日替りでおよそ20種類も揃える。看板商品のサバの味噌煮は区民投票による「板橋のいっぴん」に選ばれた。

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 とにかくメニューが豊富。メイン一品+「手づくり惣菜」が基本のようで、惣菜は3品か1品かで価格が異なる。〇〇弁当の中で、惣菜3品のセットで最もリーズナブルなのは「コロッケ弁当」の600円だった。

おかずやのラインナップ。価格は一定水準。

17位 パン工房 ぽけっと → 閉店

16位 街の中華

  • 「東京ラーメン大番くっく」・・・番組で出てきたのは川越街道を渡った先の方。駅前(北口)には「東京ラーメン 大番」がある。
  • 「花月園」・・・上板橋では見つからなかった。

15位 三好弥 → 閉店

ときわ通り(上板橋三丁目付近)。とんかつ「三好弥」は店名こそ残っているが、お店の稼働はなし。

14位 第一金乗湯 → 上板橋駅から結構離れているので、筆者的にはエリア外

13位 HUNGRY HEAVEN

焼肉店直営の人気ハンバーガーショップ。牛肉の3種の部位を合わせたパティが自慢。このパティ2枚に分厚いベーコン、エッグなどを重ねたスペシャルバーガーが人気。甘めの特製ダレを絡めた生姜焼きを豪快にはさんだハンバーグも名物。

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 番組登場時の所在地は「上板橋3-5-1」だった。今は蒙古タンメン中本と同じビル、同じフロアにある。この手のハンバーガー店は厚さや高さがウリなので、価格もそれなり。単品の最安はテリヤキバーガー(税抜950円)。

現在の所在地は常盤台4-33-3。中本と同じビルにあるが、HUNGRY HEAVENの方はどう見ても押され気味。

12位 スタジオBOS

11位 花門

街一番の人気居酒屋。店主はイラン人のマンスールさん。お店のウリは料理全品400円。しかもほどんどが超メガサイズ。看板メニューのサラダは豆腐1丁、コーン1缶を使った高さ30センチを超える山盛り。どのメニューにもお客さんへの愛情がたっぷり詰まっている。

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 全品400円は8年前も今も変わらず。店は富士見街道から七軒家通りが分かれる角地にある。角地のズバリは「かどや豆腐店」でその隣とするのが正しそうだが、外見は一体に見える。かどやさんとは食材を交換するなど提携関係にあるのだとか。

「花門(COME ON)」&「かどや豆腐店」。右の街路が七軒家通りで、奥(南)に行くと東上線の踏切に出る。

10位 工場直売

  • 東武食品工業・・・現地に行くと「東武パン直売所」と出ていて、いかにも工場の一隅にある佇まい。平日正午、お客は出たり入ったりで途切れることはなかった。ゼロになったところで入店し、惣菜パン×1、菓子パン×2(計300円)を購入。帰宅後に食べたが、どれも美味だった。
  • 日光畜産・・・上板橋駅から結構離れているので、筆者的にはエリア外
東武パン直売所
パンを三つ買って300円也

9位 五本けやき

上板橋のシンボル。川越街道で長年、街を見守り続けている5本のけやき。かつて、この場所には村長の屋敷があった。昭和初期、道路をつくる際、村長の強い希望でけやきだけが残された。川越街道が通った今も、中央分離帯で大切に保存されている。

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 クルマで川越街道を走った際、「中央分離帯になぜこのような巨木が?」とその大きさに驚いたのを思い出す。上板橋のちょっとした名所だったことを知り、納得。

木々の上部を見ると五本なのかどうかハッキリしないのが特徴。幹の方を数えると確かに五本?

8位 れんこん屋

7位 板橋区立 教育科学館

区が運営する科学施設。特に人気は地下1階の「科学展示室」。身近な科学をテーマにしたアトラクションが29もある。それらが全て無料で楽しめる。

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 前をちょくちょく通ってはいるが、なかなかご縁がないのが当館。入場無料というのは大きな魅力だと思う。ついでではなく、しっかり時間をとって訪ねたいものだ。

教育科学館。科学展示室のほか、プラネタリウムもある。

6位 行商の村嶋さん

5位 肉のマルサン

上板南口銀座商店街で昭和33年から愛されている精肉店。こちらは松阪牛の正規販売指定店。松阪牛も黒毛和牛も市場で選りすぐって一頭買い。ゆえに、リーズナブルな価格で提供している。お総菜の美味しさも地元で評判。中でも人気は、ボンレスハムとベーコン、さらに、日替りのハムを重ねた贅沢なハムカツ。

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 たまたま先客がいなかったので、人気のハムカツ(税込162円)を買ってみた。ハムのフチが一部焦げていたが、それを除く際にハムがしっかり層を成しているのを見て驚く。日替りハムを重ねたハムカツ。見た目によらず美味しかった。

丸一水産、丸二青果、丸三商店の集合体=丸一ストアー。そこに「肉のマルサン」である。丸三肉店とすればわかりやすかったと思うのだが。
いかにもお肉屋さんのお惣菜といった趣
至って庶民的な一品だが、番組に言わせると「贅沢な」ハムカツ。焦げラインはご愛嬌。

4位 お多幸 支店

おでんの名店、日本橋の「お多幸本店」から暖簾分けされたお店。たねは本店とは異なるものもあるが、ほとんどが140円という板橋プライス。出汁は暖簾分けした際に譲り受けたものを継ぎ足しながら使っている。昨年からは、しめの定番”とうめし”も登場した。

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 店構えはいかにも昭和。開業年は昭和43年というから誰かさんと同い年である。歴史ある店だったが、何と今年3月末を以って閉店。ただし店頭のお知らせには、「必ず再出発致します」とあった。

パッと見、店名が読み取れない「お多幸 支店」
「閉店のお知らせ」・・・再出発の際は支店ではなく上板橋店になる予定

3位 ひと本 石田屋

和菓子の名店。名物は30分で完売することもある”どら焼き”。中には大きな栗が一粒隠れている。同じく人気なのが、1日4,000個作るという饅頭。羊羹を塗った生地の中には白あんと、やはり栗が入っている。

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 どら焼きが何時に完売したのかは不明だったが、本日分販売終了の掲示が出た段階では外で並ぶお客はおらず、店内に何人かという状況だった。店の外に列ができていた時はまだ完売していなかったのだと思う。次は並んででも買ってみるとするか…

お買い求めはこの札が掲出される前に

2位 蒙古タンメン中本 上板橋本店

都内を中心に14店舗を展開する人気激辛ラーメン店。その本店が上板橋にある。昭和43年から変わらず連日大盛況。看板メニューは、特製の辛子麻婆豆腐をのせた”蒙古タンメン”。ファン曰く、「辛いだけではない、しびれるウマさ」で人気を集めている。

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 HUNGRY HEAVENと同じ北口の浅香ビル2階にある。中本の名は存じていても、およそ筆者とはご縁がなさそうなラーメン店。立地上、駅のホームからもよく見える。店から電車が見えるかどうかは定かではない。

1位 上板南口銀座商店街

上板橋が誇る庶民派商店街。地元民の生活を支えている。

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 番組紹介分はごく一部だが、出てきた6店のうち現存しているのは3店(東北酒場 あらた、雅藤寿 安藤、花月たばこ店)だった。「あの店は今?」といった企画も成り立つように思う。

上板南口銀座の入口(上板橋駅南口側)。商店街は、ここから南に約270m続く。
こちらは川越街道に面した側の上板南口銀座入口。掲示物用のボックスケースがあり、貴景勝関の優勝報告会の予告が出ていた。次も優勝すれば横綱? そうなれば、ときわ台ともども当地もさぞ盛り上がることだろう。
「東北酒場 あらた」。田酒、豊盃、八仙など、日本酒の某ランキングサイトで上位のお酒が並ぶ。
1位の枠内で紹介された定食屋「かつ吉」があった場所。今は例のから揚げチェーン店。
こちらは弁当店「いとり屋」の番地から辿った場所。その跡地は「GENERAL PARLOR」というオシャレ系飲食店になっている。2階はパン&お菓子の教室。

 2023年版だとまた違う採り上げ方になるかも知れないが、2015年の段階でなぜランク外になってしまったのか不思議なのが、平和公園と城北中央公園の二つ。平和公園内に中央図書館(+ボローニャ絵本館)が開館したのは2021年3月のことなので、今であれば上位にランクしそうだが、城北中央公園の扱いがどうにも解せない。

上板橋駅北口にある案内地図。町名を度外視すれば、正方形で囲った範囲=上板橋としていいように思う。
とは言え、教育科学館も平和公園も所在地ベースだと常盤台。上板橋の地図にして「常盤台エリア」と書かざるを得ないところがこの界隈ならではと言える。

 板橋区と練馬区にまたがる公園なので、上板橋括り=板橋区とすると公園の一部に限られてしまうため避けたのではないかと… どこかしらで紹介してほしいものだ。

二つの区にまたがる都立城北中央公園

 ランクインしてもよさそうなネタを他に挙げるなら、1kg超の弁当で有名な「まごころ大髙」、富士見街道の三差路にある「かみなか庚申塔」、上から見ると建物南側が階段状になっているのが特徴的な「上板橋サンライトマンション」、川越街道を挟んで二つあるコモディイイダなど。今は店舗はないが、東武ストアの本社があるのも上板橋。

まごころ大髙。お腹を空かした状態&開店後すぐのタイミングで来店するといいかも知れない。
かみなか庚申塔。目立つ存在ではないが、旧道の道標としての役割が古くからあり、左の「富士・大山道」、右の西台・徳丸方面に分岐する地点に建立されている。
上板橋サンライトマンション。横から見ても形状が独特なのがわかる。
中本の向かいにある東武ストア本社。住宅棟「上板橋ハウス」の店舗部分に本社が移ってきた形。

 アド街で上板橋が再び「登板」する可能性は低めだが、予告が出たら自分なりに「ベスト20」を予想し、少しでも当てたいものだと思う。


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