複数の用件があり、第586話のように自転車で行くには距離や労力がそれなりという場合はやはり電車。動く範囲が主に23区内ということであれば、JRなら「都区内パス」、東京メトロなら「24時間券」の出番だが、コストパフォーマンスを重視すると24時間券に分がある。当日限りでなく、スタートから24時間有効というのがポイントで、1日目の午後、2日目の午前と2日間にわたる使い方ができるというのは大きい。JRが760円のところ、東京メトロは600円。ありがたい限りである。
今回は文京区の図書館、中でも小石川図書館を訪ねるというのがメインの一つ。CDなどの音楽ソフトの所蔵数が同館は都内屈指なのだそうで、事前に検索して調べたところ、在架「小石川」と表示されるものがいろいろあって納得した次第。レンタルショップでも易々と借りられないCDが小石川図書館にはある・・・となれば出かけない手はない。最寄駅は丸ノ内線の茗荷谷。かくして2/20の午後、24時間券を使って当地に向かったのだった。
こうなるとお昼も茗荷谷でということになる。茗荷谷と来れば勝手知ったる「丼太郎」で牛丼をいただくのが早道。店に入ると「サンソン」(山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック)がかかっていて、実にタイムリーだった。この番組が流れているということは14時を回っているということ。
プレイリストによると、2曲目の「HEY BIG BROTHER」(RARE EARTH/1971)が終わった頃合いで、3曲目「NO GOOD TO CRY」(THE WILDWEEDS/1967)、4曲目「IT FEEL SO GOOD TO BE LOVED SO BAD」(THE MANHATTANS/1977)をフルで聴き、5曲目「WHAT IS HIP?」(TOWER OF POWER/1973)のエンディング近くまでの時間を店内で過ごした。券売機の上にあったラジカセから「最高の音質?」で聴くオールディーズ。牛丼もより美味しく食すことができた。(ちなみに茗荷谷界隈には、達郎氏の母校である竹早高等学校がある。ゆかりの地であれば「サンデー・ソングブック」は必然と言えるかも知れない。)
店を出ると雨がパラパラ。予報に反して雲行きが怪しかったこともあり、折り畳み傘を持っていたので事なきを得た。が、図書館は思っていたよりも近く、傘を差すまでもない感じ。雨がこの程度とわかっていれば自転車で来る手もあった? いや、自転車の場合、雨は小降りでも厄介なものである。この日は他の用件もあったので、地下鉄+徒歩でよかったと思う。
小石川図書館は、CDの充実ぶりも目を見張るものがあったが、驚いたのはレコード(LP)の一室があったこと。LPも利用カードがあれば借りられるというんだからさらに吃驚である。
いきなりLPというのは何なので、この時は以下の4点を借りることに。利用カードをつくってもらい、貸出手続き完了。文京区は一応お隣の区になるため、アクセス難ということはない。ただし、返却時などで出向くとなると最も近い千石図書館でも9kmはある。自転車通勤が日常だった時分は千石図書館の前をよく通っていた訳で、その頃にCDなどをせっせと借りていれば…と思ったりもするが、当時は当時。とりあえずこれで新たな楽しみが増えたというものである。
CDが加わったことで荷物は増えたが、次のテーマが待っている。「JR東日本 懐かしの駅スタンプラリー」である。
JRの駅を巡るのに「都区内パス」などを使わずに、東京メトロのフリーきっぷで挑もうというのだから我ながらいい度胸だと思う。スタンプの対象は全50駅だが、第一関門は10駅分。クリアすれば「復刻時刻表風オリジナルノート」と「50駅踏破用スタンプ帳」のセットがいただけることになっていて、それを目当てに10駅をめざす。
すでに赤羽、池袋の2駅分は集めていたので、残り8駅を24時間券が許す範囲で廻るプラン。茗荷谷を出た後は、御茶ノ水、東京、有楽町、新橋、上野、北千住の順に少なくとも6駅行くことを決め、余力があればさらに対象駅に足を延ばそうと思っていた。が、やはりJRの駅にメトロで行こうとするとそれなりに負荷がかかるもので、例えば有楽町だと丸ノ内線銀座駅~JR有楽町駅(銀座口)~銀座線銀座駅を徒歩で移動するもこれが案外長かったり、新橋駅も銀座線の改札からJRの南口へ行こうとすると北~南を往復する感じでやはり長距離。北千住の分を終えたところで結構足が重くなっていたので、この日のスタンプ収集は一旦終了し、帰途につくことにした。
北千住から北区方面にメトロで行くには、千代田線で新御茶ノ水まで南下し、接続駅の淡路町から丸ノ内線で後楽園に向かい、そこから南北線に乗り換え...となるが、これはこれで移動距離はそれなり。千代田線と南北線との接点が荒川区、台東区、文京区辺りにないので致し方ないのだが、歩けば何とかなる組み合わせはある。
組み合わせとしては、千駄木~本駒込、根津~東大前の二つが挙げられ、道に迷わなければ駅間を歩いて移動した方が早道。今回は千駄木から本駒込まで歩くことにした。団子坂を上るのが少々難儀だが、それを越せばあとはいい散歩になる。すでに17時半を回っていたが、急いで帰るほどでもなく、坂上に出ると近くに本郷図書館があったので、ひと休み。上々の寄り道ができた。
日曜の図書館は閉館時間が早そうだが、文京区の図書館はひと味違う。日曜・祝日でも19時まで開館というのが基本なので、まだOK。ここでもCDをチェックし、実にありがたい1枚を見つける。目に留まったのは大滝詠一のCD「Happy Ending」。区内在住・在勤・在学ではないので、借りられるのは5点まで(予約は3点まで)なのだが、小石川図書館で借りたのは4点だったので、めでたく借りることができた。余裕を持たせておいてよかったと思う。
CDの大いなる収穫を得て、足取りは心なしか軽くなった。予報では夕方には晴れる筈が結局晴れ間は出ず、曇り空のもと「大観音通り」を西へ。曇ってはいても暮れ行く感じはわかる、そんな雰囲気を楽しみつつ約1kmを歩き、本駒込に着く。あとで調べたら、2/20はトータルで5km以上歩いていた。主な成果はCD5点+スタンプ6つ。上出来である。
2/21は、24時間券の有効時間までに2駅分のスタンプを集めることを念頭に行動。新宿にもはもともと用があったので、新宿+もう1駅という感じだったが、その1駅は迷った末に高田馬場にした。最後に押したのが新宿で、時間内にクリア。晴れて10駅分完結となった。
2日間で8駅を巡った訳だが、新橋を除きどの駅でもスタンプの先客があり、人気の高さが感じられた。「10駅賞」の賞品の一つ、「50駅踏破用スタンプ帳」を広げて押す収集家も多く、この調子だとすでに賞品の引換終了?と焦ったりもしたが、筆者は地元の対象店舗(ニューデイズ)で無事引き換えることができた。
引き換えの際の条件として、500円以上の買い物をするというのがある。ニューデイズで500円となると簡単に思いつくものでもないが、オリジナル系(パン、ボトル缶コーヒーなど)を買えばわりとあっさり行くことが今回わかった。それで賞品が得られるならお安いもの。その10駅賞はなかなか凝ったセットで、特にノートはグッズとして販売してもよさそうな品だと思った。「懐かしの駅スタンプラリー」、スタンプのデザインも含め、総じてよくできた企画と言えそうだ。
で、50駅踏破用で続きを・・・と思っていたが、やはりハードルは高い。そんな訳でスタンプの方は特に進展がないのだが、CDの方は検索しては予約というのを繰り返し、おかげで新しいサウンド(既知の楽曲はより高音質または別アレンジ・・・それらも言うなれば新曲)と接する日々がここのところ続いている。文京区の図書館のお世話になる日がしばらく続きそうである。
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