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第639話 花と鳥と風と(2024.4.15)

 四字熟語の「花鳥風月」は、自然美を表すのが要旨だが、花=春、鳥=秋、風=夏、月=冬と季節ごとの情趣などを象徴する言葉でもある(ということが調べてみてわかった)。

 三月半ば頃から春らしい日が増え、下旬には桜もチラホラ。ここひと月ほどを振り返ると、桜をメインに花々を観賞する機会が少なくなく、春の訪れを告げるが如く普段お目にかからない鳥に遭遇することもしばしばだった。

 春は時に天気が不安定になる。いわゆる春の嵐に見舞われれば、咲き誇っていた桜は花弁の多くを散らすことになるし、鳥も悠長には構えていられなくなる。4/9は思いがけず荒天となり、一時は台風のようだった。

 そんな訳で、今春のキーワードは花であり鳥であり風であり… 花だけでなく、鳥も風もな春といった感じになっている。それぞれについて、画像主体でご紹介しようと思う。


 近所にも桜スポットはいくつかあるが、区内には飛鳥山もあるし、石神井川もある。忘れてはいけないのが浮間公園で、桜とチューリップを同時に楽しめるのが一大ポイント。浮間方面への買い物などのついでに4/6~8は連日出かけてお花見に興じた。北陸応援割の旅が叶えば、砺波でチューリップをといったことも考えていたが、今年は地元で十分に堪能。3/22~4/21の1か月間は恒例の「花と光のムーブメント」が開催中で、17:30~21:00に行くとライトアップされた木々や花が楽しめる。さすがに桜の方は終演モードだが、チューリップはまだ見頃。ライトの演色が強いと花の本来の色がわからなくなるのが難点ではある。

こちらは王子駅北口付近での音無親水公園(石神井川)の桜。4/5は満開だった。

浮間公園のシンボルと言える風車を背景に、ネモフィラを撮った一枚(4/7撮影)
桜とチューリップのコラボレーション例。同系色による競演といった趣。
チューリップがメインだが、桜草なども多々。チューリップだけでも複数品種が並び、どれも色鮮やか。
チューリップの主だった品種は名前がわかるようになっている。薄紫に見えるのは「チャーミングレディ」。黄色の方は「黄小町」か。(ここからは4/8の撮影)
桜とチューリップ(チューリップ推しver.)
満開の桜@浮間公園(嵐の前日、4/8に撮影)
4/10、花と光のムーブメントでのライトアップ撮影例。強風に耐えた夜桜は美しかった。
ライトアップは一定間隔で色が変化する仕掛け。この色合いだと何とも幻想的。
チューリップもライトに合わせて様々な色に。ピンクや赤基調のライトアップだとあまりに濃厚(華美)だったため、色が薄めになった瞬間を狙って撮ったのがこちら。

 浮間公園に隣接する浮間ヶ原桜草圃場では、第60回「浮間さくら草祭り」(4/12~21)が開かれていて、普段はクローズドな圃場に入って桜草の群生を観ることができる。初日の4/12に出かけ、10分余りと短時間ではあったがひととおり観賞。一口に桜草と言っても、大きさ、形、花弁の先端の形状、咲き方から、色(+濃淡、模様等)に至るまで実に多彩多様というのが現物や解説を見てよくわかった。公園や土手などで見かけたら、そうした観点で調べてみようと思う。

圃場の桜草。桜草と言えばこれといった典型的なタイプだが…
咲き方や形などに着目すると典型例であっても細部に違いがあるのだと思う。それにしてもよくぞこれだけまとめたものだと(ただただ感服)。

 どの鳥も春だから現れるという訳ではないが、季節性のある鳥も中にはあって、外出先で見たものとしては、キンクロハジロ(横浜港)、ツグミ(茨城県結城市)が挙げられる。いずれも冬場から春先に見られる鳥で、ツグミは筆者的には珍しい部類。キンクロハジロは浮間公園(浮間が池)でもおなじみだが、横浜港でこんなに!というのが新鮮だった。

第638話の後段に記した「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」見物の際に、氷川丸の西側で撮ったキンクロハジロの一団。港にどれほどのエサがあるのか不明だが、潜ったり浮かんだりなかなか活発だった。(3/17撮影)
水戸線東結城駅近くの空き地で佇むツグミ(→参考)。派手さはないが、凛々しい印象を受ける。当駅での降り乗り記録はこちらを参照。

 浮間が池で時折見られる(7月~4月)との情報があるのがダイサギ。まさか大の方とは思っていなかったので、最初はコサギ?と見ていたが、その堂々たる姿からしてダイサギで間違いないだろう。目撃、撮影したのは4/6のこと。浮間公園には翌日、翌々日も行ったが、このサギにはお目にかかれなかった。また様子を見に行こうと思う。

その白さ、堂々とした立ち居振る舞い・・・見応えたっぷりなダイサギ(4/6、浮間が池の畔にて)
首を曲げてもその大きさは際立つ。目元の青色もまた注目ポイント。手前の鳥はカルガモ。

 3/25は、午前中に伊豆箱根鉄道大雄山線の駅めぐりをしていた。小田原から乗って最初に降りた井細田では、聞き慣れない声で鳴く鳥が複数種いて、その一つをズームで撮影。撮ってからあとで調べてみることにした。その姿や色からカワラヒワらしい。市街地を好む鳥ではない感じだが、留鳥にあたるので季節を問わず居るところには居る。浮間公園の森でも見かけるようなので、鳴き声を頼りに探してみるのも良さそうだ。

カワラヒワと思われる野鳥。翼や尾の一部が黄色いのが見分けるポイント(→参考)。(3/25、井細田駅ホームにて)

 4/9は法事で横浜市の久保山へ。風雨に伴う混雑の影響で京急線が遅れ、黄金町から乗る予定だった市バスに間に合わず、現地に向かうのにひと苦労だった。黄金町駅前から大岡川の桜を撮っていると、風が俄かに強くなってきたので動画でも撮影。改めて見てみると台風並みの強風だったことがわかり、この後さらに風も雨も…だったため、そんな中をよくもまぁと今は思う。当然のことながら、安直なつくりの傘はこの時の風で使い物にならなくなり、予備の折り畳み傘で何とか凌ぐ。午後もなお風は強かったため、これで桜も見納めかと思ったが、4/10以降もまだまだ花見はできた。今年の桜は長持ちな方だったと思う。

▲4/9(火)10:20頃撮影。この日の横浜の最大瞬間風速は秒速25.8mだった。
4/9の14:20頃、大岡川に架かる長者橋(日ノ出町駅近く)から見た旭橋。雨は上がったが、風はまだ強め。川沿いの桜からは花弁が舞い、川面にはその一部が漂う。

4/10は一転して晴れ。地元、新河岸川の桜もまだ花を残していて、花見客も少なからず。前日の風雨のおかげで富士山(右)もよく見えた。

 4/11、板橋区前野町で撮った桜並木は、程よい風に花弁が舞う状態。春らしい風を感じるシーンを収めることができた。

▲イオンスタイル板橋前野町付近の桜並木を撮影。佳い風だった。

成城学園での花と鳥と

 世界に名だたる指揮者、小澤征爾さんの「お別れの会」が学園内の記念講堂で行われるというので4/14に足を運んだ。用意された一輪の花を手向け合掌。壇上はこのように白の花々で覆い尽くされ、それは見事なものだった。

 せっかくキャンパスに来たので、成城池を見に行く。池の周りは「萬葉植物」にあたる樹木がメインのため、目立つ花はない。池ではカルガモのペアが悠然と泳いでいて、気持ち良さげ。春を楽しんでいるように映った。穏やかな日曜の午後のひととき。風も緩やかで心地よかった。

澤柳記念講堂ステージの様子。小澤征悦氏のメッセージには、「皆様も小澤征爾を想う時は、小澤征爾の音楽を聴いてあげて下さい。それが最大の、そして最高の贈り物になると思います。」とあり、しみじみ…(ご冥福をお祈りいたします)
成城池のカルガモ。昼下がり、池で見かけた野鳥はこの二羽のみだった。

 引き続き、花、鳥、風をテーマに春を満喫しようと思う。


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