鉄道趣味のうち、特に「乗り鉄」が高じると、そこにある路線を端から端まできちんと乗るというのが一つのテーマになってくる。筆者の場合、かつてはそこまで意識せず、少しの区間でも乗れればその線に「乗った感」を得て満足していたのだが、年を重ねて旅行先も増えてくると折角ならば全区間(過去に一部だった場合はその続きを)乗ってみようという思いが増し、近年は「県内全線完乗」がチラホラ。(以下は、関連する話題、記録)
もう少しで達成できることがわかれば、旅のテーマは完乗(またはその手前)がメイン。グルメ、行楽、温泉などの要素はオプションになる。
緊急事態宣言の延長云々は想定していなかった訳ではないが、9月はその「もう少し」の県を旅して県内完乗をめざす予定を立てていた。青春18きっぷもあったので、とにかく敢行。今回の9月の旅では、新潟、長野、宮城の順で、各県の鉄道路線の完乗を果たすことができた。
無論、然るべき対策はしっかりした上で、混雑を避けつつの旅。以下は、その完乗に向けての行程などの概略である。
9月3日(金)
長野県で残っていた区間は、長野電鉄の小布施~湯田中、JR大糸線の県内区間(概ね平岩以南)。この日は長野電鉄メインで、全線の乗車+未乗降駅の降り乗り(できるだけ)に臨んだ。
9月4日(土)
大糸線は、修学旅行で沿線を通ったり、白馬方面をドライブしたりというのはあったが、鉄道の方はなぜかご縁がなかった。全区間を一気に乗り通すべく、しなの鉄道(北しなの線)、えちごトキめき鉄道(妙高はねうまライン~日本海ひすいライン)を乗り継ぎ糸魚川に出て、大糸線を北から南に進んだ。
新潟県で最後に残っていたのが、糸魚川~平岩の県内区間。平岩を過ぎた辺りで、完乗となった。長野県の方も大糸線を残すのみとなったため、終点の松本に着いた時点で県内全線完乗。初めての路線の乗り通しで、二つの県の未乗区間をクリアしたというのは過去に例がない。一石二鳥に倣うなら、「一乗二県」「一線二完」といったところか。
9月8日(水)
宮城県で残っていたのは、いわゆる盲腸線と呼ばれる路線が二つ(石巻線の石巻~女川、東北本線利府支線の利府~岩切)と、大船渡線の県内区間(新月~気仙沼)、そして忘れてはならないのが東北本線と仙石線の短絡線区間である。約300mとごく短距離だが、列車が定期的に走っている以上、乗らない訳にはいかない。
その区間は、仙石東北ラインの列車に乗ればクリアできる。2020年1月、仙台エリアを旅した際に当該列車に乗ったが、この時は塩釜まで。その300m区間は塩釜の先(松島付近)にあるので、果たせなかったという話。3泊4日の旅の初日、9月8日は、仙台に着いた後でこの仙石東北ラインの快速列車で終点の石巻まで北上し、晴れて短絡線をクリアできた。思いがけず大雨の中での移動だったが、最前部に陣取り、東北本線からの分岐から仙石線への合流までをしかと見物。仙石⇔東北・・・よくぞつないだものだと思う。
9月10日(金)
18きっぷ、今夏の利用最終日にあたる。古川駅を発駅として、小牛田~一ノ関~気仙沼~柳津~前谷地~女川~石巻といった行程で、未乗区間を組み込んで周った。気仙沼に着いたところで大船渡線は完乗。前谷地から乗った女川行きで終点まで来たところで石巻線も全線達成。東北本線の利府支線も頑張ればこの日にうちに行けたが、暗くなってしまうのがわかっていたので見送り、石巻市内に泊まる。18きっぷの旅は、ホテル最寄りの駅到着を以って終了となった。
9月11日(土)
ホテルから歩いて行ける仙石線の駅から仙石東北ラインの快速で塩釜へ。そこからバスで利府に向かい、宮城県内最後の未乗区間乗車に臨む。当初予定していたのは11:35発の岩切行き。期せずして夏の臨時列車の運転日だったため、11:12発の臨時快速が待機していて、それに間に合ったことから前倒しに。あわただしい感じになってしまったが、利府→岩切を乗り終え、めでたく県内完乗となった。東北6県では、山形県に続いて2番目。青森県は難度高めにつき、次の完乗は秋田県、岩手県のどちらかになりそうである。
年内はこの後諸々ありそうなので、次の泊まりがけの旅は来年か。気長にプランを立てようと思う。
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