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第562話 惜別、赤羽ハウジングステージ(2021.2.1)

 近所にあって、ちょっとした憩いの場になっていた住宅展示場が営業を終え、2021年1月末を以って完全閉場となった。オープンしたのが2003年9月13日だったので、その歴史は17年4か月余りということになる。住宅需要のほどはいざ知らず、23区内にあってよくぞここまでと考えるべきなのかどうなのか… とにかく長いことお世話になったのは確かで、なくなってしまうとなると寂しいものがある。

赤羽ハウジングステージ、オープン初日。初代のセンターハウスは平屋で、正しくハウスの形状だった。

 住宅展示場の本来の趣旨からすれば、モデルハウスをしっかり見学して、何らかの話を進めてもらうというのが第一。来た人にその住宅(または社名、ブランド名)を知ってもらうというのももちろん大きいと思うが、収益に結びつかない以上は出展も何もないだろう。当「赤羽ハウジングステージ」はそういう意味では実に緩やかな感じで、地域に根ざした展示場という印象が強かった。地域における一大資源、そんな見方もできそうだ。

 駅近だし、環八通りに面しているという点でも立地は決して悪くなかったが、集客面は果たして・・・ 催し物の多彩さ、賞品や景品の豊富さは集客に力を入れていたことの証しと言えなくもない。おかげで随分と楽しませてもらった訳で、振り返ってみるとその充実度の高さが改めてわかった次第。今回は感謝の念を込めつつ、それらを紹介しようと思う。


移動カフェ、飲食関係

 来場者アンケートというのがあって、それに答えると抽選で景品がもらえるほか、イベントがあればその参加券、屋台などの出店があれば無料券をいただくことができた。利用回数が多かったのは、やはり飲食。移動販売車によるサービスも時々あって、ありがたく頂戴した。

「横濱メロンパン」の移動販売車(2010.4.29)
「ミニバクテー丼」(2015.1.12)
駄菓子屋も登場(2013.5.5)
移動カフェの一つ「LA-GONZO」。写真は、ホワイトストロベリーモカ。(2014.10.13)
こちらは「God bless café」のワゴン(2015.5.6)
by「God bless café」。筆者はストロベリーラテ(右)をいただく。(2016.7.10)
クレープ!(2017.5.4)
この時は「パンケーキアイス」をいただいた(2018.7.15)

移動動物園

 住まいづくりと来ればターゲットは家族連れということで、子ども向けの催し物が多かった。出色は動物ネタだが、大人も十分楽しめる内容。「移動動物園」が定期的にやってくる、そんな感じだった。

ポニー来場。場内を一周するパフォーマンスもあった。(2011.7.18)
鳥類をメインに、ウサギやらヤギやら。この手のコーナーはいつも盛況だった。(2012.9.16)
ヒヨコもよく遊びに来た(2014.11.2)
ライオンもご来場(2016.9.18)
フクロウ、ミミズクの一行も。この日はカラスの鳴き声を聞かなかったような…(2018.5.3)
こちらは烏骨鶏(2019.4.14)

乗り物関係

 住宅展示場には様々なコネクションがあるようで、あっと驚く乗り物(特にクルマ系)が来ることもあった。こちらは「移動モーターショー」といった趣だった。

「マッハ号」の模型(2017.1.15) *第470話にも掲載
「マッハ号」の隣には「デロリアン」(2017.1.15)
「カウンタック」のデコレーションモデル(2011.9.23)
消防車(はしご車)の実演(2018.1.8)
クルマ以外では、「ミニ鉄道」も。写真は、人気のドクターイエロー。(2014.11.9)
国鉄時代を彷彿とさせる京浜東北線車両が走ったこともあった(2016.9.11)

ワークショップ、講座

 客層に応じたバリエーションがいろいろあったが、総じて女性向けが多かったように思う。オープン後の数年の間は「住まい塾」と称する講座に参加したりもしたが、いわゆるワークショップ的な催しは数えるほどで、名称をきちんと控えていた分としては、「ハーブの寄植え&ワイヤーレッスン」と「京野菜が美味しいレシピ クッキング教室」くらい。屋内スペースで聴講したものとしては、「コジマジック 収納トークショー」、「タニタの社員食堂健康セミナー」などもあった。お試し版のカルチャースクール・・・今にして思えば実にありがたい催事だった。

2012年9月のイベント例。「アニマルスキンシップランド」、「わくわく縁日広場」、「プリザーブドフラワーバイキング」など、充実していた。筆者は骨密度測定、血液サラサラチェックを利用。健康関連の催しも多かった。
「ハーブの寄植え&ワイヤーレッスン」。実費を払ってもよさそうな講座だが、基本無料。(2013.4.28)
「京野菜が美味しいレシピ クッキング教室」では、これらの野菜を実食(2014.9.21)
貝を開き、真珠に相当するものを取り出してアクセサリーに、といったワークショップも。細君が参加し、筆者は見学。(2020.6.20)

ノベルティ

 アンケートの景品、福引の賞品といったもの以外に、ダイレクトメールやメルマガの特典もあった。基本的には日用品で、衣食住で言えば食と住に関する品々が主流だった。いただいた品の中で、長く愛用しているのはブランケット、携帯用のエコバッグの二つ。今となっては記念品である。

モデルハウス見学でいただいた分も含め、多い時はこの充実ぶり。ありがたい限りだった。(2016.2.7)
実質的な最終日は、防災グッズなどが配られた。記念品に相当するが、しっかり活用しようと思う。(2021.1.24)

その他

少し早めのハロウィン?装飾。モデルハウスでは、季節や年中行事に応じた演出などが行われ、それを見るのもお楽しみ要素として大きかった。(2014.9.25)
ステージイベントも多々。「ナイツ」が来た時は結構な人出になったが、肝心のお笑いの方は…(2015.1.11)

赤羽ハウジングステージについて

 かつては田辺製薬の社屋があった。それが移転し、建物が取り壊され、跡地にできたのが「赤羽ハウジングステージ」。平置きの駐車場、12棟のモデルハウス、多目的スペースや案内カウンターのある「センターハウス」で主に構成され、敷地内は広々していた。地域における空間的なゆとりを確保するという点でも意義深い展示場だったと思う。

 センターハウスは、2015年秋に解体工事が行われ、案内所に当たる施設は、仮設のトレーラーハウス様の建物に。その後、2016年3月26日に二階建ての新しい建屋がオープンし、名称も「インフォメーションセンター」に変わった。まだまだ安泰と思っていたのだが、2020年に入ると敷地の半分を更地にする工事が始まり、あれよあれよで様相が一変。モデルハウスも6棟に減ってしまった。社会的情勢の変化もあって催し物も減り、足が向くことも少なくなっていたところ、年が明けて「当展示場は1月をもって営業を終了いたします」との報が。かくして、インフォメーションセンターを訪ねたのは1月23日が最後となり、イベント最終日の24日は、あいにくの天気だったこともあり筆者は不参加、細君が軽く参加するにとどまった。実質的な最終日だったが、来場者は極めて少なかったそうな。時が時なら盛大なフィナーレイベントもできただろう。寂々とした幕引きとなってしまったことがまた惜しまれる。

センターハウスの建て替え工事が始まった頃の様子(2015.10.3)
インフォメーションがコンパクトだった頃の一枚(2015.11.21)
12棟あった時の案内図。敷地が大きかったがために、不動産価値も高かったのだと思う。(2020.1.27)
左から、ポウハウス、積水ハウスの順。一年前の写真だが、懐かしさを感じる。(2020.1.27)
住友林業のモデルハウスがあった辺り。ハウジングステージの西半分がまず更地になった。(2020.2.9)
更地付近から、東半分を撮影。右の建物がインフォメーションセンター。(2020.2.29)
東半分が残ったが、営業終了が近づくとモデルハウスは順次撤退(2021.1.23)
実質的な最終日の様子。あいにく雨の一日だった。手前から、ミサワホーム、ヘーベルハウス。(2021.1.24)
筆者が訪ねたのは、この日が最後に(2021.1.23)
解体工事が本格的に始まる。跡地には、12階建てのマンションが建つ予定。(2021.1.25)

 当展示場で何らかの用件があって訪ねた回数は、記録帳に記した限りでは110回ほど。この中には、モデルハウスの見学、住宅に関するセミナーの参加も含まれるが、何が多かったかと言えばそれは上記の通りである。頻度が高かったのは2014~2016年で、この3年間で回数全体の半分を占めていた。オープンから10年余りの時期、思えばこの頃が赤羽ハウジングステージの最盛期だったのかも知れない。

赤羽ハウジングステージ、最後のチラシ(イベント欄)。最終月ということで盛り沢山だったものの、筆者は1/23のイベントに顔を出した程度。早めにチェックしておくんだったと思う。

 地元に住宅展示場がなくなったことで、最寄りは戸田公園王子かといった具合に。良さそうな催し物があれば足を運ぶこともあるかも知れないが、動機としては住宅展示場が恋しくなったら、だろう。

 赤羽ハウジングステージ、その存在はやはり大きかった。

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