「出没!アド街ック天国」、7/29は筆者地元エリア「浮間舟渡」だった。番組予告などでは「初出没」とする文言も見かけたが、浮間(北区)と舟渡(板橋区)で分けて捉えると少なくとも浮間の方は2度目の登場。1~20位のうち、スポットや店など9件が2007.9.22の「北赤羽」(参考→第242話)でも紹介されたものだった。正確さを期するなら、「舟渡は初出没」だったことになる。
初耳のものもいくつかはあったが、全体的には概ね想定内。出てきても良さそうだったのは、浮間公園をはさんで浮間側、舟渡側のそれぞれにある氷川神社のほか、浮間エリアでは、浮間図書館+浮間中学校、タクシー各社(グリーンキャブ、東都自動車、東洋交通、春駒交通、山手交通)、舟渡エリアでは、板橋区立リサイクルプラザ、第一硝子(の煙突)、(和酒の)折原といったところだろうか。
とりあえず番組のレビューを兼ね、登場順(20位→1位)にご紹介しようと思う。(猛暑だったり大雨だったりでわざわざ撮りに行くのも何なので、画像は近年のストックがメイン・・・あしからず)
20位 浮間と舟渡
JR埼京線の駅名は浮間舟渡だが、浮間舟渡という街はない。北区浮間と板橋区舟渡という2つの街で、その区境に駅があるため浮間舟渡という駅名になった。浮間はファミリー世代が急増中の住宅街で、舟渡は昭和の頃からの工場街と街の性格も異なる。 →詳細
埼京線が開業した際、面白い名前の駅ができたものだと感心したのを思い出す。浮間と舟渡にかかる駅なので、それぞれの地名を組み合わせて浮間舟渡。このタイプの駅名は、都内のJR駅に限れば当駅が唯一というのもポイントだと思う。
19位 若林酒店
地元民から「わかば」の愛称で親しまれている酒店。お酒以外に文房具や体操服、さらに駄菓子も売っているので地元キッズにも大人気。また日曜の午前中には、地元のおじさん軍団が集まり、店先で酒盛り。店内にはビールサーバーが設置され、駄菓子をつまみに楽しいひと時を過ごす。→詳細
浮間舟渡駅方面に用がある時は、自転車で当店の前を通ることが多い。決してお客がいない訳ではないことは承知していたが、子どもたちで賑わっているのを見るにつけ、何事かと思ってはいた。単なる酒店でなかったのは今回初めて知った。
18位 Log-HOUSE(ログハウス)
工場街の舟渡にあるライブハウス。イベントやコンサートで音響や照明を担う技術会社「響楽」の倉庫を利用しており、セッティングはプロが出がけるので本格的。月に1度、アイドル祭りが実施され、ファンで賑わう。→詳細
13位の「TRINITY B3 PARK」の隣にある。舟渡4丁目となるとさすがに地元とは言えないので、こちらは初耳。近くを通ったことはあると思われる。
17位 新河岸東公園
下水処理を担う浮間水再生センターの屋上に誕生した大きな公園。野球場やテニスコート、人工芝のサッカーグラウンドを併設している。様々な遊具もあるが、地元の子どもに人気なのは巨大なボールネット。→詳細
浮間水再生センターを採り上げるのならわかるが、スポットがあたったのは併設の方。公園があるのは知っていても、筆者としてはご縁はなく、前を通り過ぎるばかりである。
16位 謎の県境
北区と板橋区の区境にある浮間舟渡だが、荒川を越え、埼玉県が入り込んでいる場所がある。境界線が複雑になった理由は荒川の流れ。工事前は蛇行しており、浮間の全域と舟渡の一部は埼玉県に属していた。しかし改修工事で流れが変わり、現在のような複雑な境界線になった。→詳細
浮間公園内にもその解説らしきものはある。改修したのに合わせて境界線も変更すればよさそうなものだが、そうならないところにまた違った謎を感じる。
15位 戸田の渡し
江戸時代に整備された中山道が通る舟渡。かつては舟渡と対岸の戸田との間には橋が無く、渡し舟で結ばれていた。舟渡という地名は渡し舟に由来している。また浮間は荒川に突き出た浮島から転じた地名といわれている。→詳細
14位 くまねこぱん
地元キッズに人気のパン屋さん。店前の自販機に描かれたパンダのイラストやイラスト付きのポップは元CGデザイナーのご主人が描いたもの。人気はミニチョコパン。パンに描かれた可愛らしいイラストもご主人が担当。イラストのデザインは全て異なっているこだわりの一品。→詳細
2020.9.24に初めて来店した時点で3周年ということだったので、2018年にはオープンしていた訳だが、ついぞ知らなかった。当店で買い物したのは2回程度。北赤羽駅周辺にはパンの専門店が他にないので貴重な存在ではある。
13位 TRINITY B3 PARK
倉庫を改装した都内最大級の屋内型スケートパーク。スケボーだけでなく、BMXやインラインスケートも楽しめる。子どもから大人まで、幅広い年齢層がやってくる。→詳細
12位 越田かき氷店
浮間の夏に欠かせない名物。夏の間、晴れた日だけ営業している。元々は昭和から続く氷屋さん。現在は杉並区の氷屋さんから純氷を仕入れてかき氷にしている。かき氷のおばちゃんこと、玉置さんとの楽しい会話もお店の名物。→詳細
番組で初めて知った店の一つ。基本的に月曜と水曜が定休日。その他の平日は14時~17時半、土日は13時~17時に営業しているようだが、これまで開店しているところに遭遇したことはない。シロップの色素成分が気になるが、一度試してみようと思う。
11位 無料のつり堀
【浮間つり堀公園】 (→「北赤羽」9位)
新河岸川の近くにある釣りに特化した珍しい公立の公園。和金やヘラブナを釣ることができる。
【浮間公園】
公園の面積の40%を占める浮間ヶ池では無料で釣りを楽しめる。釣れた魚はリリースするのがルールだが、外来種のブルーギルは専用ボックスで回収。肥料として利用する取り組みをおこなっている。→詳細
2007.9.22放映の「北赤羽」では、浮間つり堀公園が9位(浮間公園は2位)にランクイン。都内唯一の区営釣り堀なのだとか。入園は無料なのだから、ともかく訪ねてみようとは思っている。
10位 TSRスポーツクラブ
約200名のメンバーが在籍するトランポリンとタンブリングの教室。ジュニアの日本代表も輩出した。代表の武藤さんはオリンピックの審判ができる国際ライセンスを持つ、日本で唯一の人物。最高の指導のもと、未来スターが育っている。→詳細
2021年5月辺りまでは引越業者の仮置き倉庫?(屋外はトラック駐車場)だった。廃業後、空いた倉庫を改装して当クラブが開業。トランポリン教室自体は浮間の別の場所にあったので、移転開業とするのが正しい。
9位 直売
お得な直売は工場街のお楽しみ。
【サンコウ食品工業】
製麺している会社。毎月第4土曜に行われる直売は、都内の有名蕎麦店や人気ラーメン店、一流ホテルが使うものと同じ麺をお得な値段で購入できると大人気。夏限定で登場するのが冷やし中華用のひすい麺。ほうれん草の緑が鮮やかな一品。
【丸萬】 (→「北赤羽」15位)
昭和39年創業の食品卸しの会社。毎週土曜日に直売を実施。お酒のつまみに嬉しい乾燥珍味などをほぼ卸価格で販売。さらに賞味期限間近のものは卸値から大幅に割引して販売している。
【アルパイン洋菓子店】
元々、銀座 三笠会館の製菓部門として昭和24年に創業し、都内の有名百貨店などに洋菓子を卸している工場の直売所。様々なケーキを300円台前半で購入できる。三笠会館で人気だったリーフパイも昭和の頃と変わらぬレシピで作られ、直売所でのみ購入できる。→詳細
丸萬は「北赤羽」の回(2007.9.22放映)で15位だった。当時と変わらない感じでの再登場は、ある意味大したものだと思う。アルパイン洋菓子店は、ふと気が向いて専門店のケーキが食べたい!となった時に足を運ぶ店で、何度か利用している。
8位 STUNT TEAM Gocco&ジャパンアクションエンタープライズ
映画や特撮などを支えるアクション事務所が2つもある。
【STUNT TEAM Gocco】
映画「キングダム」などでアクションを任されるプロ集団。映画「シン・仮面ライダー」や「今日から俺は!!」のアクション監督を田渕景也さんも所属している。
【ジャパンアクションエンタープライズ】
千葉真一さんが創設したジャパンアクションクラブがルーツ。特撮ヒーローのスーツアクターを多く輩出している。平成のゴジラシリーズでゴジラのスーツアクターを担当した喜多川2tomさんも在籍している。→詳細
7位 大衆酒場
呑兵衛さん達の楽園である渋い酒場が揃う。
【竹ノ内商店】 (→「北赤羽」29位)
お昼にはたくさん並んだお惣菜の中からおかずを詰めてお弁当にしてくれる。夜は居酒屋に変身。炭火で焼く大ぶりな焼き鳥は1本120円からと嬉しいお値段。
【やきとん松月】 (→「北赤羽」14位)
昭和43年創業。ヒノキのカウンターに呑兵衛さん達が集う。秘伝の甘辛ダレを使ったやきとん3本にもつ煮、レモンサワーのAセットは1,100円。シメにオススメなのがチャーハン。大量のニンニクと豚のカシラを使ったパンチの効いた一品。→詳細
2007.9.22の放映では、竹ノ内商店が「フレッシュフーズ たけのうち」(29位)で、やきとん松月が「ホルモン道場 松月」(14位)でそれぞれ登場。今回は仲良く大衆酒場の括りで出てきて、順位も大幅アップ。層が薄い?ということか。
6位 印刷・製本の街
大手印刷会社が近いため、日経印刷グラフィックガーデンや学術書などの製本を行うブロケードなど、印刷・製本関連の企業が52社も集結している。
【コスモテック】
金箔や銀箔などの箔をプレス機を使って紙に転写する箔押しの技術で評価されている。宝石の美しい輝きをデザインした便箋や電子回路を再現したマスキングテープなど、オリジナルの箔押し製品も人気。 →詳細
印刷・製本関係は浮間側にもいくつかあり、板橋区東坂下(主に一丁目)にもチラホラ。より広域で捉えた方がいいような気がする。
5位 桜草 (→「北赤羽」7位)
かつて荒川沿いの一帯は浮間ヶ原と呼ばれ、桜草が群生し、徳川家康も愛でたという。荒川の工事で激減した桜草を保存会の皆さんが大事に育て、蘇らせた。毎年4月には浮間ヶ原桜草圃場でさくら草祭りが開催される。→詳細
浮間と言えば桜草(サクラソウ)。地域の名物としてこれに勝るものはないだろう。「北赤羽」の放送回では7位だったので、5位となればまずまずだが、赤羽ゴルフ倶楽部よりは上位であってほしかったと思う。
4位 赤羽ゴルフ倶楽部 (→「北赤羽」10位:赤羽ゴルフ場)
昭和32年に開場。東京23区では2ヶ所のみの18ホールのゴルフ場。18番ホールは都県境の入り組んだ場所に位置しているので、北区浮間、埼玉県戸田市、板橋区舟渡にまたがっている。→詳細
2019年の台風19号の荒川大増水では、当ゴルフ場も全面的に水没。荒川が荒れる度に憂き目に遭っている訳だが、気が付くと再開しているタフさは評価したいところだ。
3位 工業地域 (→「北赤羽」3位:浮間工場街)
昭和5年創業の日本金属や高精度の金属加工を行う技研精機など、舟渡には数多くの工場がある。
【空調服】
酷暑の現場でも涼しく作業ができる小型ファン付きの作業服である空調服®を発明した企業。近年ではタケオキクチとコラボしたものや空調ファン付きの抱っこひもカバー、空調ファン付きのベッドなども販売している。→詳細
番組で紹介された「株式会社空調服」は、浮間舟渡駅から歩いてすぐの場所にあった。ショールームのようなスペースがあれば見学させてもらうのもいいかも知れない。
2位 いたばし花火大会
昭和26年に荒川の県境を改めたことを機に、いたばし花火大会と埼玉県の戸田橋花火大会と同時開催する夏の風物詩。都内最大の大玉「尺五寸玉」や総延長700mの「大ナイアガラの滝」は圧巻。→詳細
この時期に浮間舟渡が出てくることを不思議に思っていたが、花火大会が近いとなればごもっともではある。報道でご存じの通り、8/5に開催された「いたばし花火大会」は目玉の「大ナイアガラの滝」(96あるプログラムのうち52番目)からの飛び火で河川敷が火事状態になり中止に。同時開催の戸田橋花火大会は続行されたため、全面中止は免れた恰好だが、消化不良(消火は万全)な大会となった。来年はナイアガラをラストに持ってくるなどして、花火自体は最後まで打ち上げてほしいものだと願う。
1位 浮間公園 (→「北赤羽」2位)
浮間舟渡のオアシス。公園の面積の40%を占める大きな浮間ヶ池の周辺では地元民が思い思いの時間を過ごしている。春にはチューリップや桜の華麗な共演が見事で、夜にはライトアップもされる。→詳細
北区には都立の庭園として旧古河庭園がある。都立公園は板橋区と北区とにまたがるが、この浮間公園があり、23区で「都立公園がある区」のグループに一応入る。何はともあれ、ありがたい存在だと思う。
四季を通じて様々な見どころがあり、浮間ヶ池を筆頭に、浮島、バードサンクチュアリ、葦原、水生植物園と自然を楽しむ要素も充実。特に野鳥の宝庫である点は外せない。番組ではその辺りの公園の魅力についての紹介が少なめだったようだ。
新たに知ったスポット等を中心に、涼しくなったら周遊してみるとしよう。
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