今回は久々の「街」ネタ。東武東上線の上板橋駅とその周辺について、筆者なりのまとめ等をご紹介する。
ダイヤ改正での変化
東上線の都区内区間は池袋~成増が該当し、その途中には北池袋から下赤塚まで8駅ある。これら8駅はどんなに利用者数が多かろうが、普通列車しか停まらないことになっていて、準急、急行といった速達系の列車はスルー。特に下赤塚は池袋からだとただただ時間がかかる訳で、途中のどこかしらで準急→普通の乗り換えができれば少しはいいのにと沿線住民でなくても思ったりしたものである。
その8駅の中で一大変化を迎える駅がある。それが上板橋。3月18日のダイヤ改正で、当駅に晴れて準急が停まるようになる。他の7駅からすれば「なぜ上板橋?」という声も上がりそうだが、2面4線という構造上、いわゆる「緩急接続」(普通⇔準急の乗り換え)が可能なこと、1日平均の「乗降人員」が8駅の中では2番目に多いこと(2021年度で約4.2万人)を考えれば妥当な決定だと思う。
池袋~上板橋は営業キロで6.0km(間に5駅)、上板橋~成増は4.4km(同2駅)なので、8駅の中で中間に位置する訳ではない。それでも東武練馬、下赤塚の利用者にとっては、池袋から準急に乗って次の上板橋で降り、普通に乗り換えれば以前よりも速く着けるようになるので、中間地点である必要はない。メリットが薄いのは上板橋の一つ手前、ときわ台の利用者だが、池袋から5駅目というのはこれまでと変わらないし、川越方面からの場合は成増から準急に乗れば上板橋での乗り換えでより速く着くことになるから、それはそれという話だろう。かつて東上線利用者だった筆者としても本件は驚き。地価や賃料なども変わりそうだが、その辺は気が向いたら調べてみようと思う。
上板橋と言えば
もともと利用者が多い駅なのだから、駅周りもそれなり。商店街、商業施設、各種施設などいろいろあって、暮らしには便利そうな印象はある。
ときわ台界隈のトランクルームを使うようになってから、隣駅の上板橋エリアもなじみが出てきた。駅の北側だと、富士見街道、コジマ、イトーヨーカドー、星乃珈琲店、南側だと、旧川越街道、上板南口銀座商店街、トレジャーファクトリーといったあたり。駅から少し離れた範囲だと、板橋区立中央図書館、図書館がある平和公園は何度かといった具合。図書館1階にあるカフェ・ド・クリエも数回利用した。
ただ、行きつけの店や施設がある訳ではないので、街のディープなところは不詳。自転車で動く中での道路事情を弁えている程度である。
アド街系スポットなど
という訳でまだまだ「上板初心者」ということもあり、ここは一つ「アド街ック天国」情報をもとにリサーチするのがよかろうと思い立ち、番組で出てきた店などを巡ってみることにした。以下、登場順(20位→1位)に軽くご紹介する。(写真はいずれも訪ねた日=2/17に撮影)
*「上板橋」の回は2015年5月9日だった。8年近く経っているので、閉店してしまったり、探しようがなかったりというのもチラホラ。その点、ご了承のほどを。
20位 八百屋激戦区
19位 ファミリーファッション マルミ
上板南口銀座商店街の両サイドに店を構える。激安ファッションが大充実のお店。
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特定の範囲に1号店、2号店といった感じで展開する衣料品店の上板橋版。十条のポポみどりや、巣鴨のマルジに通じるものがある。
18位 おかずや
お弁当とお総菜の人気店。お弁当は70種類。お総菜は日替りでおよそ20種類も揃える。看板商品のサバの味噌煮は区民投票による「板橋のいっぴん」に選ばれた。
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とにかくメニューが豊富。メイン一品+「手づくり惣菜」が基本のようで、惣菜は3品か1品かで価格が異なる。〇〇弁当の中で、惣菜3品のセットで最もリーズナブルなのは「コロッケ弁当」の600円だった。
17位 パン工房 ぽけっと → 閉店
16位 街の中華
- 「東京ラーメン大番くっく」・・・番組で出てきたのは川越街道を渡った先の方。駅前(北口)には「東京ラーメン 大番」がある。
- 「花月園」・・・上板橋では見つからなかった。
15位 三好弥 → 閉店
14位 第一金乗湯 → 上板橋駅から結構離れているので、筆者的にはエリア外
13位 HUNGRY HEAVEN
焼肉店直営の人気ハンバーガーショップ。牛肉の3種の部位を合わせたパティが自慢。このパティ2枚に分厚いベーコン、エッグなどを重ねたスペシャルバーガーが人気。甘めの特製ダレを絡めた生姜焼きを豪快にはさんだハンバーグも名物。
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番組登場時の所在地は「上板橋3-5-1」だった。今は蒙古タンメン中本と同じビル、同じフロアにある。この手のハンバーガー店は厚さや高さがウリなので、価格もそれなり。単品の最安はテリヤキバーガー(税抜950円)。
12位 スタジオBOS
11位 花門
街一番の人気居酒屋。店主はイラン人のマンスールさん。お店のウリは料理全品400円。しかもほどんどが超メガサイズ。看板メニューのサラダは豆腐1丁、コーン1缶を使った高さ30センチを超える山盛り。どのメニューにもお客さんへの愛情がたっぷり詰まっている。
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全品400円は8年前も今も変わらず。店は富士見街道から七軒家通りが分かれる角地にある。角地のズバリは「かどや豆腐店」でその隣とするのが正しそうだが、外見は一体に見える。かどやさんとは食材を交換するなど提携関係にあるのだとか。
10位 工場直売
- 東武食品工業・・・現地に行くと「東武パン直売所」と出ていて、いかにも工場の一隅にある佇まい。平日正午、お客は出たり入ったりで途切れることはなかった。ゼロになったところで入店し、惣菜パン×1、菓子パン×2(計300円)を購入。帰宅後に食べたが、どれも美味だった。
- 日光畜産・・・上板橋駅から結構離れているので、筆者的にはエリア外
9位 五本けやき
上板橋のシンボル。川越街道で長年、街を見守り続けている5本のけやき。かつて、この場所には村長の屋敷があった。昭和初期、道路をつくる際、村長の強い希望でけやきだけが残された。川越街道が通った今も、中央分離帯で大切に保存されている。
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クルマで川越街道を走った際、「中央分離帯になぜこのような巨木が?」とその大きさに驚いたのを思い出す。上板橋のちょっとした名所だったことを知り、納得。
8位 れんこん屋
7位 板橋区立 教育科学館
区が運営する科学施設。特に人気は地下1階の「科学展示室」。身近な科学をテーマにしたアトラクションが29もある。それらが全て無料で楽しめる。
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前をちょくちょく通ってはいるが、なかなかご縁がないのが当館。入場無料というのは大きな魅力だと思う。ついでではなく、しっかり時間をとって訪ねたいものだ。
6位 行商の村嶋さん
5位 肉のマルサン
上板南口銀座商店街で昭和33年から愛されている精肉店。こちらは松阪牛の正規販売指定店。松阪牛も黒毛和牛も市場で選りすぐって一頭買い。ゆえに、リーズナブルな価格で提供している。お総菜の美味しさも地元で評判。中でも人気は、ボンレスハムとベーコン、さらに、日替りのハムを重ねた贅沢なハムカツ。
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たまたま先客がいなかったので、人気のハムカツ(税込162円)を買ってみた。ハムのフチが一部焦げていたが、それを除く際にハムがしっかり層を成しているのを見て驚く。日替りハムを重ねたハムカツ。見た目によらず美味しかった。
4位 お多幸 支店
おでんの名店、日本橋の「お多幸本店」から暖簾分けされたお店。たねは本店とは異なるものもあるが、ほとんどが140円という板橋プライス。出汁は暖簾分けした際に譲り受けたものを継ぎ足しながら使っている。昨年からは、しめの定番”とうめし”も登場した。
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店構えはいかにも昭和。開業年は昭和43年というから誰かさんと同い年である。歴史ある店だったが、何と今年3月末を以って閉店。ただし店頭のお知らせには、「必ず再出発致します」とあった。
3位 ひと本 石田屋
和菓子の名店。名物は30分で完売することもある”どら焼き”。中には大きな栗が一粒隠れている。同じく人気なのが、1日4,000個作るという饅頭。羊羹を塗った生地の中には白あんと、やはり栗が入っている。
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どら焼きが何時に完売したのかは不明だったが、本日分販売終了の掲示が出た段階では外で並ぶお客はおらず、店内に何人かという状況だった。店の外に列ができていた時はまだ完売していなかったのだと思う。次は並んででも買ってみるとするか…
2位 蒙古タンメン中本 上板橋本店
都内を中心に14店舗を展開する人気激辛ラーメン店。その本店が上板橋にある。昭和43年から変わらず連日大盛況。看板メニューは、特製の辛子麻婆豆腐をのせた”蒙古タンメン”。ファン曰く、「辛いだけではない、しびれるウマさ」で人気を集めている。
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HUNGRY HEAVENと同じ北口の浅香ビル2階にある。中本の名は存じていても、およそ筆者とはご縁がなさそうなラーメン店。立地上、駅のホームからもよく見える。店から電車が見えるかどうかは定かではない。
1位 上板南口銀座商店街
上板橋が誇る庶民派商店街。地元民の生活を支えている。
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番組紹介分はごく一部だが、出てきた6店のうち現存しているのは3店(東北酒場 あらた、雅藤寿 安藤、花月たばこ店)だった。「あの店は今?」といった企画も成り立つように思う。
2023年版だとまた違う採り上げ方になるかも知れないが、2015年の段階でなぜランク外になってしまったのか不思議なのが、平和公園と城北中央公園の二つ。平和公園内に中央図書館(+ボローニャ絵本館)が開館したのは2021年3月のことなので、今であれば上位にランクしそうだが、城北中央公園の扱いがどうにも解せない。
板橋区と練馬区にまたがる公園なので、上板橋括り=板橋区とすると公園の一部に限られてしまうため避けたのではないかと… どこかしらで紹介してほしいものだ。
ランクインしてもよさそうなネタを他に挙げるなら、1kg超の弁当で有名な「まごころ大髙」、富士見街道の三差路にある「かみなか庚申塔」、上から見ると建物南側が階段状になっているのが特徴的な「上板橋サンライトマンション」、川越街道を挟んで二つあるコモディイイダなど。今は店舗はないが、東武ストアの本社があるのも上板橋。
アド街で上板橋が再び「登板」する可能性は低めだが、予告が出たら自分なりに「ベスト20」を予想し、少しでも当てたいものだと思う。
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