トイレットペーパーの類は落ち着いてきた観はあるが、マスクに関しては今なお品薄状態が続く。白を代表色とする日用品が入手難という意味で、3月14日の「ホワイトデー」にいつもと違う想いを抱く人は少なくなかったのではないかと思う。
イベントや行事が白紙になってしまったという意味でのホワイトデーもあれば、白紙からスタートといった向きのホワイトデーもありそうだ。当日は、春のダイヤ改正にあわせ、新たな出発となった駅や列車も多かった。いい意味でのホワイトが大勢だったならと願うばかりである。
そんなホワイトデー、今年の東京は気象的にホワイトだった。朝方は8℃だったところが、日中にひたすら気温が下がり、13時には3.8℃、17時には何と1.4℃を記録。息も白くなれば、午後には雨が雪まじりになり、すっかり真冬の様相となった。
この日は、新しい列車、新しい駅を見に行くのをテーマにしていたので、寒い中を出かけてきた訳だが、行く先々でホワイトを体感する一日に。外出自粛云々はさておき、ここぞという時は出かけた方がいい、そう思った。
以下、当日のホワイトネタを順にご紹介する。
指定席券売機の白画面
3月14日開業の新駅「高輪ゲートウェイ」。現地に行こうとすると、単純往復でもそれなりにかかる。「都区内パス」を使った方が安上がりなので、地元駅で購入・・・と思ったら、指定席券売機が反応してくれない。
駅員さんに伝えるとリブートすることになり、しばし画面がOFF状態に。画面が白くなった券売機を眺めて過ごす。何分か待って無事復活した後、とりあえず発券。きちんと「祝!高輪ゲートウェイ駅開業」のメッセージ入りパスが出てきたのでよかった。(リブートによりメッセージ部分がブランク・・・では困る訳で)
雪模様の新宿
特急「踊り子」の新顔「サフィール踊り子」がダイヤ改正とともにデビュー。その初列車にあたる「サフィール踊り子5号」が新宿を発車する時間(12:25)にちょうど間に合うことがわかったので、何はともあれ新宿に向かう。5番線で待っていると、池袋方面からそのニューフェイスが到着。発車7分前の入線だった。
で、そのサフィール用の車両(E261系→PDF)がなかなかの美観。紺碧色を基調としながらも、先頭部から屋根上部にかけては流れるようにホワイトが使われ、鮮烈な白といった印象を受ける。初日にしっかり撮影、見送りができて何よりだった。
昼食は大戸屋で。少々遅めながら「連子鯛の炭火焼き定食」をメインにいただく。焼いた鯛は白身がベース。そこに大根おろしの白をのせる。食べているものが白々としていると、窓の外も白いものが目立つようになってきた。雨ではなく雪? みぞれのようにも見えたが、粉雪と見た方がいいようだった。ホワイト感のあるホワイトデー。店内も冷え冷えとしてきた。
外に出ると、まだ雪まじり。やがて雨が優勢になるも、街は白っぽい雰囲気で高層ビルもこの通り。この時の気温、2℃前後だったと思われる。
高輪ゲートウェイ駅
そしてようやく高輪ゲートウェイへ。この駅の最たる特徴は、白の膜材を全面的に使った大屋根と、その屋根下の吹き抜け構造にある。随所に木材や木目を採り入れているのも見どころだが、全体の基調色は白と言っていいだろう。
さらには、駅のアプローチ部(階段、通路等)の屋根も白なら、駅周りに展開するホール群の塗色も白。駅舎、駅周辺などの総称として、「白木高輪」というのもアリか。ちなみに1kmほど北に行けば、白金高輪駅にアクセスできる。白木と白金、組み合わせ的には悪くないと思う。
この後は、品川、東京、西日暮里などでも下車し、パスを存分に使った。極寒な一日ではあったが、外に出ればいろいろと楽しいものである。