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第671話 都営三田線往復&「NIAGARA 50th Odyssey」(2025.8.15)

 40℃台を記録する地点が複数かつ連日など、毎度の如く灼熱状態に見舞われた8月。朝涼しいと思われる日に片道2km程度を往復したのが8/1、8/7、8/14、日差しが弱まる頃合いにコミュニティバスで出かけたのが8/4と8/8といった具合で、前半はほぼステイホームの日々が続いた。

 さすがに立秋を過ぎると夜は幾分涼しさが出てきて、動きやすい時間も増えたりもしたが、日中はまだまだ残暑に余熱。遠出できる日はいつになるやらと思っていたところ、48時間先くらいの予報で比較的暑くない日が続くパターンが現われ、ここぞとばかりに予定を組むことになる。都営地下鉄の「『夏』のワンデーパス」(→参考が使え、月曜定休ではない店を訪ねるという前提だと、出かける日は8/10の一択。土日祝にモーニングメニューがいただける店で過ごし、その足で最寄りの志村坂上駅に向かう。500円のワンデーパスを手に三田線で一本。まずめざしたのは神保町だった。

PASMOを用意し、「夏」のワンデーパス(¥500)を購入。7/19~8/31の土日祝のほか、平日は8/12~15も発売。

 予報は雨で、南からの強い風がそこに加わるため、外出するには不向きではあったが、予想最高気温が30℃を下回るとなれば筆者としては好適。駅に行くまでは暑くも涼しくもなく、まずまずだった。雨は小降りだった。

 ワンデーパスを買う際、改札階はそこそこ風が通っていて、どうということはなかった。が、ホームに着くとやたら蒸し暑くて驚くことに。冷房装置の前で僅かな涼をとりつつ、次に来る8両編成を待つ。8両、即ち相鉄の21000系車両が来る可能性があるので、これなら車内でしっかり涼めると期待していたのだが…

 その日の予想気温をもとに空調を設定しているのだとすると、弱めになるのはもっとも話。しかし湿度が高かったり、ホームに熱がこもっている場合は何らかの調整が必要になる訳で、どうもそこまでは織り込まれていなかったようだ。

 8/10は外気温が26~27℃だったのに対し、ホームは体感的におそらく30℃。湿度も相当程度だったものと思われる。列車は扉が開く度にその熱気や湿気を中に取り込んでしまうため、冷房モードになっていたとしても効果は減衰。次の駅に着くまでに冷気が満たされればいいが、2分も走ればまた扉が開いてしまうため、2021年導入の新製車両であっても涼しくないことがわかった。

 移動手段に難があるとなれば、自衛策が必要になる。ワンデーパスのメリットを活かすべく、さっさと板橋本町で降り、勝手知ったるスーパーで氷を調達。蒸す感じはあったが、この時は地上の方が涼しかった。氷袋で部分的に涼気を得つつ、再びホームへ。現われたのは三田線オリジナルの6500形だった。

 少なからず希望を持っていたが、こちらの空調もやはりイマイチ。氷を持っていた分マシだったが、神保町までは厳しい感じだったので、今度は千石で下車した。最短200mで図書館にアクセスできることを思い出したからである。

 ホームや地下通路は暑くとも、地上に出ればそれなり。雨の中、図書館へ急いだ。中に入ればそこは救いのスポット。列車内で欲しかったのは正にこの涼しさ!だった。

冷気を求めて千石図書館へ。同館名物のヒマワリもおつかれ気味?

 マイボトル用の給水機もあったので、手持ちのミニボトルに補給。その後は館内で雑誌などを見ながらしばらく休ませてもらった。千石図書館は過去に何度となくお世話になっているが、今回ほどありがたく頼もしく思ったことはない。涼と水分をチャージし、図書館を後に。千石12:43発で、ようやく神保町へと相成った。この時に乗った三田線6300形は今となっては古参の車両だが、21000系、6500形よりも涼しさを感じた。因果なものである。

三田線ホームの冷房はこちらの「ホームファンコイルユニット」が頼り。空間全体を冷やすほどのパワーはなく、近づかないと涼しさは得られない。
やっとこさ神保町に到着。地下に比べて外はマシだったが、まずは目に付いたファミマでクールダウン。

 神保町での用件はズバリ、「大滝詠一 特別企画展『Eiichi Ohtaki’s NIAGARA 50th Odyssey』」(→参考。大滝作品を40年前から本格的に聴くようになった筆者としてはまたとない催しで、是非と思っていた。駅からほど近い場所にある「New Gallery」なるスペースでの開催で、当初は7/11~8/3の会期だったものが8/17まで延長。そのおかげで来廊が叶った。

 本来なら志村坂上から一発で来られる神保町だが、地下鉄の暑さに難儀してやっとこさ。時間がかかった分、ギャラリーに着いた時の感慨はひとしおだった。展示や物販品はどれもよくできていてすっかり感服。会場内の涼しさも手伝って爽快な時間を過ごせた。

特別企画展会場での販売品(一例)。限定グッズもいろいろあったが、目に留まったのは「A LONG VACATION」のジャケットデザインを立体化した「ペーパージオラマキット」(¥880)。記念におひとつと思ったが、組み立てに数時間かかるとあったので今回は見送り…
本展のコンセプトは、“もしも今、東京・神保町に「ナイアガラ・レコード」の事務所があったら…”。デスクとチェアがどこか事務所然としているのはそのため(実際に本人が使ったものかどうかはわからなかった)。
座っての撮影も可とのことだったが、来場者にそうした動きは見られず。こうして見ると厳粛な印象も受けるので、皆さん遠慮したのかなと。
70~80年代の名盤ジャケットも展示も。一部は企画展にあわせた「エディション作品」。ナイアガラ通なら、その辺の見分けはつくだろう。
いわゆるオールディーズのシングル盤を試聴できるコーナーがあったので、知っている曲とそうでない曲を一枚ずつかけさせてもらった。「太陽に歌って」は知らない方の一曲。聴くだけだと男性シンガーと思ってしまうが、実は女性シンガー。思わぬ発見だった。
会場内で撮らせてもらった中で、我ながら傑作と言えるのがこの一枚。人形は残念ながら非売品。
「Eiichi Ohtaki’s NIAGARA 50th Odyssey」のポスター(キービジュアル)と会場。いろいろな意味でありがたい催しだった。

 志村坂上~神保町は片道280円なので、その往復でワンデーパスの元は取れる。特別企画展が主たる目的だったので、これで帰途についても良かったのだが、8/10にしたのには理由がある。秋葉原にある「鉄道居酒屋『LittleTGV』」がその理由。8/31を以って営業を終えてしまうとのことなので、その前にと思っての計画だった。月曜はお休み。日曜なら12時開店なので、好都合だった訳だが…

 神保町から当店に行くにあたっては、岩本町より小川町の方が近道だった。と言ってもその距離は約750m。気温や天気次第という面はあった。とりあえず小川町までは来て、外へ。何とか行けそうではあった。途中、ワテラスモールの地階にあるオリンピックでひと休み。残りは550mほどだったが、店を出ると雨・風に勢いが出てきて躊躇せざるを得ない状況になる。ここは無理をせずに、日を改めるのがいいだろうと考え、小川町に戻る。神保町まではひと駅。この時の京王多摩センター行きは涼やかで良かった。

8/10、半日分の天気と気温など。気温は低め、風は強め・・・雨天基調ながら、外で過ごす分にはいい日だった。
小川町駅を出て、外堀通りへ。この奥、昌平橋を越えれば目的地に近づいたのだが断念。ワテラス止まりだった。
かくして14:12発で神保町へ。天井部の吹き出し口からの風はきちんと冷気があり、救われた。都営新宿線の方がホームは涼やかかも知れない。

 そして気が乗らないというか乗る気が失せる三田線へ。同じ都営地下鉄の駅でも新宿線の方はそれほどでもないのに三田線の方はやはり熱量があり、居心地は良くない。車内の方も相変わらずな感じだったので、往路同様、千石で一旦降りて、再度図書館に向かった。地下は暑く、地上はまぁまぁ。何ともおかしな話だが、この日に関してはそれが現実・・・今後、似たような気象条件の時は気を付けようと思った。

という訳で再び千石図書館へ。「ぶんきょう涼み処」の一つなので、躊躇なく利用できる。
ミニボトルを使って給水→水分補給を数回。「こまめな」を実践する上で恰好のスポットと言える。

 図書館で涼気と水分をとり、改めて三田線に乗車。6300形かつ乗客が少なかったこともあってか不快感はなく、今度は志村坂上まで乗り通すことができた。ホームの暑さも午前中ほどではなかった。

6300形の車内。ドラム式のファンがスイングし冷気を送る。この下に居る間は何とかなる。
小川町を出て1時間後、志村坂上に到着。ワンデーパスを買ってからは4時間が経っていた。乗降自由なパスがあった割には至って短時間。夏の外出はこのくらいが限度なのかも知れない。

 予定通りとは行かなかったが、神保町の一件は果たせたので意義はあった。何より久々に都心方面を訪ねることができ、ちょっとした気分転換ができたのは大きい。

 蒸し暑さが想定される日に出かけることがあったら、次は地下駅を使わずに済む交通手段にしよう。そんな心得が得られたのも一つの成果だと思う。


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