Skip to content

第591話 特定プラスチック使用製品(2022.4.15)

 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(略称「プラスチック資源循環法」)というのが4月に施行され、その一環として一過性または使い捨てが前提のプラスチック製品(基本無償)のうち、12に分類される「特定プラスチック使用製品」について、見直しや削減が促されることになった。

 無料でもらえるプラスチック製品というのは扱いも雑になるもので、ポイ捨てされるケースも多々。数十年単位で問題視されてきたプラスチック由来の漂流・漂着ゴミも元をたどればポイ捨て品だったりするので、その根本的な発生抑制策の一つがようやく動き出したと筆者は見ている。(荒川を舞台にした漂着ゴミに関しては、拙筆長編小説「漂着モノログ」に綴った。小説なので基本はフィクションだが、調査記録は2007年度のリアルというのがポイント。)

 プラスチックに関する話は、「漂着モノログ REAL Version」(文中用語等解説サイト)にもちょこちょこ書いていて、当時から自分なりに模索するところはあった。もともと使い捨て品をもらったり使ったりというのは控えていたが、「漂着モノログ」に取り組んでいる間は一層気を付けるようにしていたのを思い出す。

 それでも知らず知らずのうちにストックされてしまうのがこの手の品々の怖いところ。トランクルームを使っての片付けの最中でも、小物類の小箱から同類のものが見つかったりもしているが、それらは使いかけなどを洗ってとっておいただけにつき、まとめて処分した。従って手元にあるのは、「ことわりきれず、またはことわりそびれて受け取ったもの」や「何らかの用途が見込まれると考えて持ってきたもの」が中心と見ている。コレクションという訳ではないが、どういった品が12の対象品なのかをきちんと認識する意味も含め、ここにそれら(手持ち分のほぼ全て)を紹介しようと思う。


主にコンビニ、スーパー、飲食店系

①フォーク
②スプーン(レンゲ、先割れスプーン含む)
③テーブルナイフ
④マドラー
⑤飲料用ストロー

 上から2番目は、ローソンのプレミアムロールケーキ用でついてきたスプーン。その場でいただく訳ではないので、結局使わずじまい。下から二列目の黄色いのは、ゼスプリのキウイの試食イベントで配っていたナイフ兼スプーン。使い捨てにするにはもったいない感じだったので洗って持ち帰ったはいいが、普段は出番なく記念品のようになっている。最右下のマドラーは、カフェ・ド・クリエでブレンドをおかわり(&テイクアウト)した際にカップに挿した状態で渡されてそのままキープすることになった一本。それぞれに何らかの理由があって、手元にあることがわかる。


宿泊施設系

⑥ヘアブラシ
⑦くし
⑧かみそり
⑨シャワーキャップ
⑩歯ブラシ

 ホテルに着いて、洗面台などに置いてあるとつい持ち帰ってしまうのがプラスチック製かみそりの類。筆者はヒゲがあまり出てこない体質につき、ホテルでこれらを使ったことがまずない。

 歯ブラシセットについてもあればついついとなってしまうのが悩ましいところ。普段使いの歯ブラシを持って行くのが基本のため、これらの使い切りタイプは未使用のままストックに回ることになる。

 以前はもっとあったが、かつてフリーマーケットに出店した際などにおまけ(「ご自由にどうぞ」系)で配ったりして手持ちはここに載せた程度。それぞれに特徴があるので、これまでに泊まったホテルの分をしっかりとっておけば、「かみそりコレクション」、「歯ブラシコレクション」として紹介できた可能性はある。

 ヘアブラシ、くしの類が置いてあるホテルは限られている。それ故に見つけた時はこれ幸いと持ってきてしまう訳だが、使わないものをわざわざというのはやはり考え物。ここに挙げた程度で済んでよかったと今は思う。シャワーキャップは何かしらカバーするのに使うことがあったので時々。ヘアバンドは特定プラスチック使用製品ではないが、アメニティの例として並べてみた。


主にクリーニング店

⑪衣類用ハンガー
⑫衣類用カバー

 クリーニング店を利用することは稀なので、ハンガー、カバーともにあまりご縁がない筆者。自室でそれらしきものはこの一例のみだった。食器やアメニティと違って大物のため、抑制するなり循環するなりできれば効果は大きそうだ。


 今後、スーパーやコンビニでは、あえておことわりを入れなくてもよく、ただ控えれば済むだけの話になることが期待される。ホテルなどでは、買うと高そうな品がアメニティバーなどにあれば必要数をいただくことはあるかも知れないが、アメニティを持って帰ることは原則的になくなるものと思われる。

 特定プラスチック使用製品が完全に姿を消す日が来る可能性もなくはない? 手持ちの分が貴重品になることもあり得るので、とりあえず使わずにとっておこうと思う。


メモ

 「プラスチック資源循環」に関する特設ウェブサイトというのがあって、その中の「消費者の方へ」を見ると、特定プラスチック使用製品に関する件は五つあるテーマの一つであることがわかる。

 「プラスチックは、えらんで、減らして、リサイクル」というスローガンによれば、「減らして」に当たるのが特定プラスチック使用製品。

 その「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」のページの下段には、先行事例紹介というのも出ていて、

・飲食店やコンビニエンスストアなどで、木製スプーンの提供や紙ストローを提供する。
・テイクアウトの飲料の蓋をストローが不要な飲み口機能付きに変更する。
・スプーンやフォークを有償で提供する。
・宿泊施設で、アメニティを部屋には置かず、必要な方はフロントに声をかけたりバイキング形式で取ることができるようにする。
・クリーニング店でハンガーを店頭回収し、リユースまたはリサイクルを行う。

 とある。確かにどれも見かけたことがあり、先行と言えば先行とも思えるが、あくまでプラスチックを抑える観点にとどまっているのが弱いところ。加えて、コンビニコーヒーのプラカップ、そのフタはいずれもプラスチックが主流で、ストロー以上にボリュームがある点は見過ごせない。

キッチンオリジンにあったコーヒーマシン。ストロー、マドラーはプラスチック製。こちらの店内コーヒー、安価でありがたかったのだが、今となっては過去のサービス。
「ストローが不要な飲み口機能付き」のフタの例
地元エリアの某スーパーのセルフレジにて。4/15にオープンしたばかりということもあって、スプーン、フォーク、ストローは脱プラスチック系。

 新法ではなく、省令によって2020年7月にレジ袋(プラスチック製買物袋)が有料化された時のインパクトの方が大きかったような... プラスチック資源循環法と容器包装リサイクル法との相関関係もいま一つわからず(一応棲み分け?)、例えばアメニティのパッケージは容器リサイクル法で、本体がプラスチック資源循環法などということになると、枠組みとして重複している観もある。より包括的に、資源諸々の発生抑制が促されるような法整備がされてもいいと個人的には思う。


参考:最近発表された鉄道事業者等の関連リリース

4/11~12に名古屋方面の旅に出て、「ホテル京阪 名古屋」で1泊。リリースに出ている取り組みは4/15~につき、変更前ではあったが、アメニティバーは稼働中。
客室内に備え付けだったアメニティはこの二つ。歯ブラシ、ボディスポンジは、4/15以降アメニティバーでの提供に。記念に持ち帰ってもよかったが、今回はお返しした。カミソリ、ヘアブラシはフロントでの手渡しに変更。
ホテル京阪のアメニティバー対象一覧。名古屋の所在地がなぜか東京都新宿区…(客室数も違う?)

こちらもどうぞ

Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.