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第654話 十条駅西口と上十条図書館(2024.12.1)

 今は埼京線(通称)に組み込まれているが、池袋~赤羽の5.5kmは赤羽線という路線名になっていて一応現役。その中間駅である板橋と十条は都区内にあって、駅周辺がどこか昭和然とした感じがあり、いい意味で再開発などとは無縁であろうと思っていた。

 板橋駅に関してはとりあえず駅舎が生まれ変わり、アーバンな様相に。一方、十条駅については駅自体は昔からの姿を今はとどめているが、西口の再開発(正式名:十条駅西口地区第一種市街地再開発事業→参考として、2020年5月に既存建物の解体、2021年3月に施設建築物等の着工などが始まり、ひとまずそのコアとなる建物がこのほど完成。駅前の景色が一変した。

都道455号線(本郷赤羽通り)の「十条駅入口」交差点から高層棟を見上げる。高さは約146m!(2024.11.24撮影)
「十条駅入口」付近から撮った建設中の高層棟。ほんの一年半前はまだこんな感じだった。(2023.5.21撮影)
外目には概ねできあがった観のある高層棟など(2024.4.2撮影)
かつての十条駅西口。ロータリーを取り巻くように低層の店舗などが並び、夏場には盆踊り向けの設営がされたりもした。(2015.8.9)
解体工事を2か月後に控えた西口周辺店舗。「再開発反対!」の貼り紙はそのままにシャッターが下りた建物が目を惹く。その隣は、不二家、ミスタードーナツなどだった。(2020.3.7)
手前からミスタードーナツ、不二家。再開発で整備される「ジェイトモール」にこれら店舗が戻って来るかどうかは現段階ではわからない。(2020.3.7)
再開発事業に伴い「十条駅西口再開発相談事務所」(推定)も開設。年表によれば2005年4月にオープンしたことになっているが、この建物自体はもっと後だった気もするので再開発準備組合の事務所かも知れない。(2020.3.7)
その事務所に相対するように並んでいた店舗など。埼京線の下りホームは、これらの後方という位置関係。(2020.3.7)
更地化が進む中、仮囲いには再開発事業の概観などが掲出。イメージ図によれば、高層の共同住宅、低層の「商業・業務・公共施設」、交通広場などが整備されることがわかる。(2021.11.4)
何もない状態だとどこに何ができるのか見当が付かないが、ここまでスッキリしているとこれはこれでと思ってしまう。今となっては再現不能な構図。(2021.11.4)
ほぼ同じ角度で撮った十条駅西口。左に高層棟、中央に低層棟、道路を挟んで十条銀座の入口・・・景観の変化は小さくない。(2024.4.5)

 一部では事業に反対する地権者もあったようだが、あれよあれよで整備が進み、街区内建物全体「ジェイトテラス」とその「基壇部施設」にあたる「ジェイトモール」(→参考が竣工した形になっている。モールは39階建ての高層棟の1~4階を主に指すようで、そちらの開店、開業はまだ先。モールに隣接するアネックス的な建物(低層棟)の方は、2階の「クイーンズ伊勢丹」が11/22に新規オープンし、3階・4階の「北区公益施設」(愛称「ジェイトエル」)は12/1の正式オープンに先行して、11/24に開設記念イベントが開かれるなど動きが出てきた。当エリア一帯にあった店舗がモールに戻って来れば、再開発の一定の効果が見えてくる訳だが、その辺りは今のところ不明。現時点では高いのと新しいのができただけという状態につき、街としての賑わい要素はこれから・・・再開発事業が完結するまで、時々訪ねてチェックしようと思っている。

都道455号線を横切る「十条道踏切」から見た十条駅。奥が再開発を控えた西口側。そういや松屋もあったなぁと…(2020.3.7撮影)
低めの建物で凸凹した景観だった西口の一部は、39階建てが屹立したことでここだけ都会の佇まいに。十条駅が高架化されるとまた違う景色になることだろう。(2024.11.24撮影)

 という訳で、取り急ぎ「ジェイトエル」がどんなものか見てみようと思い、11/24は電車に乗って十条へ。新たな施設ができればそれと引き換えになくなる施設が生じるというのは世の常のようで、十条駅最寄りの図書館だった上十条図書館はこの日を以って閉館に(→参考。見納めというか借り納めを兼ね、そちらにも足を運んだ。結果、十条での滞在時間は6時間ほど。毎度のことだが、長丁場になってしまった。

 以下、当日のダイジェストを画像メインでご紹介しようと思う。


ジェイトテラス外観など

11時頃、十条駅に到着。車内から高層棟を撮るとこんな具合で頂上部までは収まらない。(2024.11.24、以下同日)
17時過ぎの高層棟と低層棟。この二棟を見る限りでは、当地が十条?と面食らう可能性は大。
低層棟=A、高層棟=Bとすると、低層棟に入るのがクイーンズ伊勢丹であり、北区公益施設ということに。「ジェイトモール(J&MALL)」は高層棟の1階、2階となる訳だが…(正直わかりにくい)

ジェイトエル「J&L」

低層棟の3階と4階=「ジェイトエル(J&L)」
ジェイトエルは、3階がラウンジ、クリエイティブルームなど、4階が音楽・動画編集室などから成る。ラウンジは図書等が約1万冊配架されたスペースで、言うなれば図書館。ただし閲覧専用で館内資料の貸出はしない。北区の他の図書館収蔵分を予約し、ラウンジで受け取ったり、借りた資料を返却したりというのは可能。
11/24の開設記念イベントでは、来館者向けに「J&L」デザインのエコバッグと「なんでもノート」が配布。イベントは13~15時の2時間限り。記念品は配布完了とはならなかったようだ。
クリエイティブルームでは、エコバッグを下地にしたシルクスクリーンの体験イベントも。赤色の水性塗料をたっぷり使い、ヘラで圧をかけながら刷り込んでいくと…
JとLを表現した人物イラストが現われるという仕掛け。出来としてはまずまずとのことだった。
クリエイティブルームには、3Dプリンター、UVプリンターなどもあって、所定の料金を払えば各種工作ができる。写真はそれらの工作物(見本)。公共施設でこうした機器が使えるというのは先駆的かも知れない。
4階では「来館者と完成させる壁紙アート」というのが行われていて、筆者もひと捺し(十条駅のイラスト上部に♡を捺させてもらったが、最終的にどうなったのかは不明)
ジェイトエルに通じるフロア(3階)から見た十条銀座方面。北側は建物の影に入り、少々暗め。

ルーフガーデン

ジェイトモール4階のフリースペース? 右の小階段を上がるとジェイトエル側の「ルーフガーデン」に出る。
ルーフガーデンには見物客がチラホラ。中央奥は方角的には西~北西になる。
ルーフガーデンからの南側の眺め。中央左、茶系で箱型の建物は帝京平成大学。その右の高層ビルはサンシャイン60。直線距離で約3.4kmだが、遠くに見える。
こちらは北側の眺望。ガラス壁が特徴的な「パルロード3」、赤い看板が目印の「APIRE」はいずれも赤羽駅西口のシンボル的建物。その間に見える直方体は川口駅東口にある「オーベルタワー川口コラージュ」。34階建てなので堂々たるものだが、今回の十条の高層棟より階数では五つ少ない。
こちらはジェイトモール4階(北側)から見た十条駅前の様子。交通広場はまだまだ途上。その地下では駐輪場の工事が進んでいる。駅舎右側の立体駐輪場はいずれ廃止され、駅の高架化に向けた用地になることが予想される。

上十条図書館

上十条図書館が入る上十条区民センター。この3階が図書館だった。図書館がなくなった後に何ができるのかはわかっていない。(1階、2階の「ふれあい館」などは継続)
今となっては過去形の図書館「館内案内図」。上十条図書館が当所に開設されたのは1985年7月15日とのこと。この案内図もその時からほぼ変わっていないと思われる。
区民センター出入口には、閉館のお知らせなどが掲示。パウチ加工して窓面の外側に掲出すればよさそうなものだが、そこまで手が回らなかったようで…
エレベーター内部には、よりシンプルなお知らせ(最終日当日版)が貼り出されていた。以前は時々利用していた図書館なので、一抹の寂しさはある。所蔵していた図書やCDなどは、ジェイトエルに移すことはせず、区内の他の図書館に分配するとの話だった。

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